散っても、なお
花の終わり
止めることなどできないけれど、
そっと、一瞬を掬う
内省的でしかいられない
自分自身から遠ざかろうとしても、
心が重しになって、どこへも行けない
けれど、もう今は、これで仕方がないんじゃないか
あらゆる面で、とにかく非常事態で、
どこにいても何をしていても、息の詰まるような苦しさが追ってくる
それでも漠然と、変化を諦めたくないなと思うのだけれど、
そもそもわたしの、諦める、は
どういうことを指すのかな
上手くなくとも
もっと、没入して文章を書きたい、と思う
言葉はわたしにとって、自由であるための希望なのだと
ストックホルムで過ごしたいつかの秋に、気がついた
そのときは、スウェーデン語を学ぶ意味について考えていたのだけど
どの言語でも、等しくそうだ
たとえ、わたしはわたしでしかいられないとしても
ただでさえ、仕事が山積みのいま
4月1日から、消費税額を合わせた総額の表示が義務づけられることになった
数えることすら諦めるほどの数の商品がある、わたしの店でも
値札はもちろん、ぜんぶ付け替え
もう、夢に見るくらいの仕事量だ
そんなわけで、すっかりやつれているのだけど
きょうは、夕方にいらっしゃったお客さんに、
リラックスできるからと、ハーブティーをいただいた
やはり小売のお仕事をされているそうで、
大変ですよね、わかります、と声をかけてくださった
なんだか、こんな風にやさしくしてくれる人がいるのだなあ、と
それだけで涙がでそうだった
ほとんどひとりで仕事をしているのだから
止まれば、なくなってしまうだけだ
だから、いつかもういいやと思う日まで、
とにかく歩きつづけるしかない
と、絶望めいたことを言いつつ
わたしは商品全部が大好き、よって仕事も大好きだからおもしろいな
なにがあっても意外に気力が尽きないのは、
単純に、ものと仕事への愛情があるからだという気がする
美しいと思うものでいっぱいの場所のため
いつか、こんな時期もあったなと、振り返ることができると信じて
ただ、進むだけ