終わりかけの蓮を見たくて用事の帰りに、すこしだけ遠まわり ひっそり大切にしている場所というのが、わたしにもいくつもあってここも、そのひとつ きょうから鉾が立ちはじめ、いよいよ、お祭りが近づいている雰囲気の京都いや、まあ、1日からすでに始まって…

ブラインドの隙間から差す、強い光に怯えながらめいっぱい明るい色の服を着て、出勤温度計は、36度をさしている コンビニでポトフを温めてもらい、ホットラテも注文したらわずかな距離を運ぶだけで卒倒しそうなくらいに暑かった体を冷やしたくないから、年じ…

なぜか台湾で買うことになった、キャンプマグとともに店の営業を再開した、今週 スピーカーを繋いで音楽をかけ、床にさっと掃除機をかけて、窓のブラインドを上げるジュエリーケースの中を整えてガラスを拭き、傘立てと荷物をドアのそとに出したら、深呼吸 …

4泊5日台湾での逃避行が、終わった 台北、そして、台南を湿気と夕立のなか、あちこち歩き回った本屋を巡り、美術館へ行き、お茶を飲み、自分のための買い物をして、疲れたらまた本屋そう書くと、すごく目的があったみたいだけれど、実際は、その合間の散歩が…

ひとりでは初めて、台北に来ている 喧騒に、ひとり置いていかれて過ごすそれだけのための旅 軽いものをとおすすめを聞いて頼んだお茶と想像以上に美しくて驚いたゼリーとともにスコールのような雨が過ぎるのを待つ 最初の一杯を教えてくれた店員さんの優雅な…

身体のふしぶしが痛くて目が覚めた朝ブラインドを上げると、夏の光が入ってくる きょうから、8日間の休み自分のための空白の時間が、はじまった 床で文字通り山のようになっている本と、クリーニングから戻ってきた洋服とそれから、旅と仕事用のものでいっぱ…

オンラインショップの仕事の合間にネイリストさんのところへ 休暇で台湾に行くから、パイナップルっぽくしたくて、というわたしの安直すぎる話を、ネイリストさんは真剣に聞いてくれる帰ってきたら梅雨真っ只中で、もちろん仕事もあるのを踏まえてどの程度パ…

ヴィスワヴァ・シンボルスカ 『終わりと始まり』を近ごろまた、毎日のように持って歩いている 『瞬間』が、枕もとに置いておきたい一冊なのに対してこちらは、開くことがすこし怖い詩集わたしにとっては、ずっとそう それでも、何度でも開いて、なんて雄弁な…

花屋さんにすこし残っていたスカビオサけっこう花がパラパラしてるから、と言ってお店の方がサービスしてくれた 茎がうねうねでかわいいもうすこし背の低い花瓶に飾ってもよかったかしら 陽当たりなのか風通しなのか、仕事場は、ほんとうに花が長く、きれい…

白昼夢のようなバラ園の片隅でひっそり、ひときわ優雅に咲く“ノヴァーリス” 2010年のドイツで、このバラに詩人の名前をつけた人は、単に、“青い花”を目指して作り出したからそうしたのかそれとも、求めても青色に届かない、藤色のような花だからあえてあの作…

オンラインショップの仕事を終えてようやく人心地 作業台を兼ねている昇降デスクの上を片づけ、こまごました道具を所定の位置に戻し、机の高さを下げる退けていた椅子をまた持ってきて、ごみ箱の紙ごみを捨て手が届くワゴンに置いている梱包材や段ボールを補…

バラを見に散歩に出かけ、あちこちで咲くウツギに引きよせられる なぜか毎年、待つことを忘れているけれど、見かけるとはっとする花というのがあるわたしにとって、初夏のウツギはそういう存在だ “卯の花の匂う垣根に 時鳥、早も来鳴きて忍音もらす 夏は来ぬ…

緑の絵具で勢いよく描いたような銀杏と、海の絵に落ちる夕方の光 大きな北向きの窓と、通りの銀杏の木はわたしの仕事場がある雑居ビルの、何よりの自慢だ最初に見に来たのは7年前の1月で、部屋はスケルトンで瓦礫の山、なにもなかったけれど驚くほどに明るく…

藤棚で雨やどりきょうは、さすがに蜂も休みなのか、ゆっくり花を眺めさせてくれる 公園では、近所の子どもたちが、濡れないよう、藤の下に自転車を動かしていた当の本人たちは、雨に打たれながらキャッチボールなぜか、投げるときの掛け声が“まいどー!”で笑…

桜の花がほとんど終わり、わたしの散歩コースも、静けさを取り戻した 二日ほどすべてを霞ませていた黄砂も、きょうは落ち着いている今年は早くから咲いているシャガが、まだしゃんとして、風に揺れていた ほとんど誰もいない川べりこの辺りの水は、とくべつ…

抜けるような青空と、夏のような陽気まだ花が咲いている川辺を、上を向いて歩く 明るい黄色の体をしたメジロが、囀りながらひょいひょいと桜の小枝を渡っていったブルーグレイの嘴はスズガモだろうか、流れに逆らわず、揃ってゆったりと川の水にのっている …

もはや春を超え、初夏のような空気のなか上着を脱ぎ、日傘を閉じて、ほとんど人のいない桜並木を歩く 静かに咲く花は、ふわふわとあまりにも儚くて迫力にも似た切なさがある毎年見ていても、慣れることがない存在感 桜の写真にかぎって、そこになにも写って…

ひととおり、店での事務作業を終わらせて買い物に出かける日曜日 例年より二週間ほども遅れて咲いた白木蓮が、足早に去っていこうとしているいつもはもうすこし遅い枝垂れ桜は、ソメイヨシノを待たずに、もう咲きはじめていた 紙みたいに白い鳥が、ひらひら…

行ってみたかった丹波篠山へ京都からのドライブ 江戸時代の面影の残る街並みと、盛りだくさんにものが置いてある店々を巡り古い建物を改装した宿に泊まって、土地のものをいただいた夜の街はどこまでも静かで、宿にはテレビがなく、思い出したくないことは、…

祝日の水曜日窓を叩く雨と、3月とは思えない寒さに心が折れきょうでなくてもいい仕事を放り出して、半休に 再読をはじめた本の行間に、この本はそういうものにしよう、と普段はしない書き込みをする狭い行間では、hとmとnとuがほぼ波線の自分の字大学でスウ…

確定申告に目処がついた瞬間、仕事に勉強に趣味にと駆けずり回る 結果、毎日電池が切れたように眠り、目の下のくまがとにかくすごいもうちょっとゆっくりすればいいんじゃないの、とは思うけれどやりたいことがすっかり溜まっていたのだった きのうは、ベル…

今年の、春のはじまりの日はいつも通り店に立つ、なんでもない日 午前の早いうちから母を誘って、馴染みの喫茶店へ出かけたスコーンとフルーツサンドのセットをぺろりと食べて、気合いを入れ直し、元気に仕事へ お隣のお菓子屋さんが、お誕生日おめでとうご…

朝、窓を開けると暗い空からぽてぽて無数に落ちてくる、みぞれ あわてて予報を調べ、きょうの商品撮影は諦めて、急遽あす行くはずだった病院へこの天気では、予定を入れ替えなければどうしようもない いつもの薬をもらいに行った病院は、これまでに見たこと…

“出張後の営業”という期間を終え、その日の夜からオンラインショップを開けたら瞬く間に、水曜夜の今になった スウェーデン、イギリス、そして日本で買った本が廊下に積み上がっているこれまでほぼ手をつけられなかったやるせなさと、これから一冊ずつ読んで…

出張後、最初の営業を終えてひと息ついた、きのう異様に早い時間に、取引先からのメールが届いた タイトルを見て、右手のカップを落としそうになる慌ててメールを開けると、冒頭にこのお知らせをどう書くか、百万通りも考えたけれど、簡潔な、理解しやすい説…

ロンドンから、今度は中央アジアを突っ切って京都へ帰ってきた イギリスの後半は、誰かに会って、また会って、という数日あちこちのディーラーさんを訪ねてヴィンテージ品を仕入れひとつ新しい取引先が決まりかねてからの取引先の方とプライベートでランチに…

カムデン・タウンでの仕事が、少し早く終わり運河沿いを歩いて、カップケーキの店へ 二度目の大学生活を過ごしたロンドンは、北を中心に、比較的広いエリアの土地勘がある歩ける距離かどうかや、近道、バスルートだけでなくどの道が歩いていて気持ちがいいか…

休暇、最後の目的地はスペイン側のバスク地方、サン・セバスティアンなにも考えずに散歩がしたくて、以前にもいちど訪れたこの町へやってきた 海辺では、砂浜にゴールを置き、コートを描いて子ども達がサッカーをしていたかわるがわる張り上げる声が、波の音…

海辺の保養地、ビアリッツの海岸グレーの風景を前に強風に吹かれていたら、みるみるうちに空が晴れ、光が広がっていった 遠くの白い灯台と、紋を作りながら打ち寄せる波遊歩道を歩いていた人たちはみな足を止め、ただじっと青く変わっていく海を見つめていた…

朝、狭いホテルの部屋から出ると曇り空と、ぬるく強い風慣れない街の匂いに面食らう 通勤らしい足早な人たちの流れに逆らって特有の心ぼそさをつかまえるそう、パリへ来たのだった 昨日のストックホルムからの移動は、当初予定していた直行便がキャンセルに…