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正午をすこしだけ過ぎたころ
10歩先にあるお隣さんへ

早めに来たの、仕事が終わらなくて、とぼやくわたしに
知ってる、昨日そっちすごい人でしたよね、
行って整理券でも配ろうかと思ったもん、と笑うお隣さん
同僚のいないわたしには、
こういうささやかな会話は貴重で、ほっとする

お昼がわりのスコーンを買って
お疲れ様です、がんばりましょ、といつもの挨拶
息を吸い込んで、身体の芯を立て直し、
新しい日を、はじめる

 

きのうは
とくに、お客さんの多い日だった
ピークの時間には、お店に入れない方が出てしまって
わたしは気がついていなかったのだけど、
お隣さんいわく、ドアの前に並んでいた方たちもいたらしい

本当にありがたく、嬉しく思う反面
正直、怖い、とも思う
京都のなかでも静かなエリアまで来なければならず、
来ても店内が混雑していて、落ち着いて見られないなんて
この小さな店に、それだけの価値があるだろうか

それでも
わたしはわたしではなく、取引をしている人たちを
そして、選んできたもののことを、信じているから
後悔はさせない、とも、思うのだけどね


きょうは、すこしはゆったりして
お隣さんの赤ちゃんを愛でたり
上の設計事務所の方とお喋りする時間もあった
こういう、隙間の一瞬一瞬が、
人見知りで気を張りがちなわたしを、緩めてくれる

中庭のある、古くて新しい小さなビル
この場所と、ここの人たちが、やっぱり好きなんだ

 

きのういただいたお花は
細長い蕾だったのに、
きょう帰るころには、ひらひらと美しく咲いていた

顔を近づけて、香りをたしかめ
これをくださったご夫婦のことを、思う


ゴールデンウィークの営業も
残すところ、あと一日
祝日は、混む時間帯が長いので大変だけれど
いつもは来られない、ご旅行中や帰省中の方が多くいらっしゃるので
とても楽しくもある

すべてのお客さんを覚えておけるかというと、難しいけれど
休みごと、季節ごとに寄ってくださる方は
たいてい、ちゃんと覚えているし、お会いできると嬉しい
むしろ、細かなことまで記憶に残っていて、それをポロッと話してしまい
引かれたらどうしようとアワアワしたりします
いや、本当に、どうしようね


やさしい時間を、会話を、愛でながら
明日もがんばろう

きょうより、もうすこしだけでも
余裕のある日になると、いいな