バラを見に散歩に出かけ、
あちこちで咲くウツギに引きよせられる

なぜか毎年、待つことを忘れているけれど、
見かけるとはっとする花というのがある
わたしにとって、初夏のウツギはそういう存在だ

卯の花の匂う垣根に 時鳥、早も来鳴きて
忍音もらす 夏は来ぬ”

 

昨夜は、長い夢を見た
おそろしいけれど、目が覚めたときにはある種の爽快感がある、
実は大切ではないなにかを失うという夢だった

まるで短篇小説みたいだな、とおもしろくて
内容を細かく書き起こしたんだけれど、
結局、ぜんぶ消してしまった
あれはわたしの意識のなか、深くで起きた出来事で、
この世界に持ってきてはいけない気がしたからだ


吐き出せない気持ちを小箱に入れて沈めているうち、
ファンタジー、あるいは寓話のようななにかに変わる、ということがある
普段は見ないようにしているそれは、夢のなかでときどき開いて
わたしを、苦しめたり、ちょっと救ったりする

子どもの頃にはすでにこんな感じだったし、
“小箱”の話は20歳くらいのときに書いた文章も残っているから
これは、わたしが自分なりに身につけた、身を守る術なんだろう

持ってきてはいけない、と書いたけれど、
そんな風にして生まれたものだと思っているからかもしれないな
ここで開けてはいけない箱

 

さて、店のゴールデンウィーク期間も終わり
今年は曜日配列がよかったので、臨時営業日は設けず、
今週の3日間だけ、各時間の人数を増やす、という形で
どうなるかと思ったけれど、正直、丁度いい塩梅だった

店舗に立つ時間は、わたしにとって仕事の小さな一部で
裏方というか、そういうような時間のほうがずっと長い
そのことを考えずに全力で走りつづけるのは、ある意味楽なんだけれど
元気に立ちつづけることの難しさから、目を背けない、というのが
今のわたしの課題だと、ほんとうに思う

ひとりで仕事をするというのは
つまり、大体やってみなければわからない、ということでもあるね
今さらなんですけども


この5月は、いつになく
あちこち出かけたり、いろんな人に会う予定がある

仕事も詰まっているから、瞬く間に過ぎそうだけれど、
今だからできることを楽しめたらいいな