藤棚で雨やどり
きょうは、さすがに蜂も休みなのか、
ゆっくり花を眺めさせてくれる

公園では、近所の子どもたちが、
濡れないよう、藤の下に自転車を動かしていた
当の本人たちは、雨に打たれながらキャッチボール
なぜか、投げるときの掛け声が“まいどー!”で笑ってしまう


最近は、きょうみたいに雨の予報が出ていると、
しばらく耐えるように曇っていても、結局こうして降りはじめる
だからか、新緑がぐんぐん伸びてきれいだ

傘をさして、また店に戻る
春というよりは梅雨のような、灰色に霞む夕方

 

きのう、仕事場の小さな中庭に、
大家さんが、鳥の飾りがついたバードバスを置いていた
これどうしたの、と尋ねると、庭師の友達にもらったと言う
大家さんらしさ満点の経緯だ

ときどき来ているから、ここで水を飲んでくれるといいね、
でもガラス戸にぶつかったりしないかなあ、と
仕事の手を止めて鳥の心配をする我ら
7年の付き合いになり、いよいよ会話がおっとりとしている


大家さんは自宅にブルーベリーを植えているので、
鳥たちのあいだで評判になったのか、以前はよく食事に来ていたらしい
収穫ができないし、ご近所に迷惑もかかってしまうので、
今はさすがにネットをかけているとのこと

スウェーデンにいた頃、森でブルーベリーを食べ歩いていたわたしは
ちょっとだけ鳥に共感してしまう
いいなあ、自宅にブルーベリー

ブルーベリーの木は紅葉がきれいなんですよね、という
大家さんのふとした言葉に、心をつかまれる
赤やオレンジの、鮮やかなブルーベリーをかき分けて歩いた日々は、
こうしてわたしの中に眠りつづけるのだ、きっと

 

今週は、大きな箱4つに分かれて届いたマグカップの、開梱と検品
週末からは、オンラインでも注文を受けるので、
これをまた包んで、全国に送ることになる

デザインを考えさせてもらってから、6年という月日が流れて
そのマグカップは、うちでもイギリス本国でも、
押しも押されもせぬ人気商品になった
そのあいだに、作家さんは何度もわたしに相談してくれて
今はうちに作る分は、イギリスの店に並んでいるものとは微妙に違う、
うちらしいバランスを追求してくれている

最初は、各15点という、
信じられないほど小さなオーダーだった
それを一緒に大きく育てていけたことに、本当に感謝しているし
この2年ほどでますますクオリティが上がっているという事実に
わたしは驚くばかりです


マグにまつわるあれこれは体力勝負
何度やっても大変な仕事だけれど
作家さんの気持ちも、多くの方にこれを愛してもらっていることも
ただただ、うれしいから

今回も、わたしにできる全部で、
たくさんのマグを送り出すよ