桜の花がほとんど終わり、
わたしの散歩コースも、静けさを取り戻した

二日ほどすべてを霞ませていた黄砂も、
きょうは落ち着いている
今年は早くから咲いているシャガが、
まだしゃんとして、風に揺れていた

ほとんど誰もいない川べり
この辺りの水は、とくべつ澄んでいる


茶店でパフェとカフェオレを頼み
しばらく、静かに本を読む
この時間のために生きている、という気がする

Kindleにも、たくさんのタイトルが入っているけれど
やっぱり、どうしても紙の本が好きだ
ぱらぱらと頁をめくる、という点において
わたしにとって、紙はデジタルより自由だから

 

日々、仕事をしていると
どうしても、自分が削れていくような感覚がある

それでも、読むことで栄養を得て、
歩きながら思索することでそれを増やして
中身が流れ出しているような気持ちにならないように
そして、なにかを誰かのせいにしなくてもいいように
内側から湧いてくるものを育てて過ごしている


なんてことのないわたしだけれど、
自分自身を保つ必要はある
そして、それだけのことが簡単ではないのだ

本は考える力をくれるし、
いい具合にわたしを振り回して、しなやかさもくれる
いつでも


実際のわたしの身体は、しなやかにはほど遠く
両手も両足も痛いけれど
深く呼吸をして、新緑の季節を行こう

来週やってくる、雑事のことは
ひとまず、忘れて