ロンドンから、今度は中央アジアを突っ切って
京都へ帰ってきた


イギリスの後半は、
誰かに会って、また会って、という数日
あちこちのディーラーさんを訪ねてヴィンテージ品を仕入
ひとつ新しい取引先が決まり
かねてからの取引先の方とプライベートでランチに出かけたり
妹家族がロンドンへ来てくれて長い散歩をしたりした

旅中は毎日、ノートに長い日記を書いていたのだけれど
それがなければ、記憶が取り戻せなかったくらい
とにかく慌ただしく、だけど、
出張はこうあるべきという日々だった

ひとりでいる時間は短かったのに、
内向きに、あれこれ考えを巡らせていた
それもまた、旅


今回は、なかなか美術館へ行く時間が取れなかったけれど
最後の日には、どうしても見たい展示があって、
British Libraryに駆け込んだ
“Fantasy: Realms of Imagination”

展示には、古今東西のファンタジー作品の本が
時代やジャンルにかかわらず並べられていて
なぜこの隣がこれなのだろう、とじっと考えながら、
一冊一冊のキャプションを読んだ
ファンタジーは、ファンタジーである、という点ですべて対等で
わたしはまずそのことに、漠然と憧れがあるのだと思った

大学での文学の授業
暗闇のなか手を伸ばすようにして、
ファンタジーの端っこを掴もうとした
ひたすらにもがいていた、この街での過去の時間を
飾られた本の並びに重ねる

British Libraryは、当時となにも変わらず、
勉強や仕事をしている人たちでいっぱいだった

 

帰ってきてからは
とにかく、日曜から店を開けるために働いている
だけどとにかく開梱に手間がかかって、
これ、本当に終わるのかしら

だけど、わたしの数少ない自慢は、
いつもなんとかかんとか間に合うところ
まあ、値札を付ける時間は今回も確実にないから、
間に合っているかというと微妙ではあるけれど


時代やジャンルにかかわらず、
ぎゅうぎゅうに、でもきちんと考えながら、ものを並べる

出張後の営業は
なによりも、楽しくやることよ