この秋、ずっとそのことを考え続けていた仕事を
昨日、無事に終えた

とくにこの二週間は、店の仕事も忙しかったこともあって
眠る時間を十分に取れない日も多かった
詳細は省くけれど、成果物、というか
中身が誰かに想像してもらうにはあまりに特殊だったので、
どうバランスを取ったらより多くの方に楽しんでもらえるか、
書いては消して、悩みつづけた日々だった

とにもかくにも、わたしなりの着地点は探して
春から動いていた仕事を終えたわけで、ほっとしている
評価は、もちろん受け取った方々がするのだけれど、
わたし側としては、やれるだけのことをやったと思いたい

夕暮れが近づく帰り道、空をふと見上げると
背の高い木のそばに、くっきりと上弦の月が浮かんでいた
いつか森の隙間で、凍える寒さのなか、
同じように白い月を見たことを鮮明に思いだして
なぜか、ふと、涙が出た

 

きょうは、好きなだけ眠ろうと思っていたのに
早朝に目が覚め、結局そのまま起きてしまった
折り重なるようにして届いている仕事のメールに目を通し、
気持ちを入れ直さねばと、お茶を淹れる

この数日、仲のいい取引先の人たちからの連絡には、
かくかくしかじかで月曜まで待ってね、と返事をしていたので
うまくいったかと気遣ってくれているメールもあって、ありがたい
申し訳ないことをしてしまったと思う反面、
あたたかい言葉をかけてもらうと、それだけで安らぐのだった

お昼前に出かけて好きなものを食べ、
店で、先週届いた陶器の開梱と検品の作業
先週もずっとここにいたわけだから、
日常が戻ってきたというとおかしいのだけれど
やっぱり、戻ってきた、という気がする

 

 

夕方、散歩に出かけると
ずいぶん紅葉が色づいていた
タイムリープしたみたいだな、と
まるで人ごとみたいに、思った

とくに、この一ヶ月ほどは
ある意味での結論というか、環境と自分の内面、
あるいは過去と今をつなぐ、単純な図式を探していた
けれど、わかりやすくすることに意味を求めるのは、
すくなくとも今のわたしにとっては、自分に忠実な選択ではない
とくに、長い時間の上澄みだけを掬おうとするのなら、そう

迷っては、選んだり、選ばなかったり
それでも飽かずにやってくる、
小さな点のような今日を
こうして、重ねていく