ときどき仕事をしているカフェ
ふた月ほどあまり行けていない間に、
店員さんが、ほとんど入れ替わっていた

ちょっとせつなく思うけれど、
そういうものだとわかっている
変わらない店がここにあるだけでも、十分ありがたいと
ちくちくした寂しさを飲み下す


カフェで仕事をしている間にも
三つのアドレスにメールが何通も届く
この三つに来るものは、ほぼ全部必要な内容で
メールマガジンなどは基本的に入っていないのだけれど
それでも、わたしにとってはとんでもない数

なんだって、こんな世界を生きることになったのだろう、と
いまだに、ときどき思う
電信が、そこらじゅうをびゅんびゅん飛び交うところを、
馬鹿らしいとわかっていても、想像してしまう

多くのものが、わたしの手を離れていくことを、
もっと諦めなければいけないんだろうか

 

うちで扱っているヴィンテージ品は、
勿論ほとんどが、電子メールもインターネットもなく
海外旅行も気軽ではなかった時代のものだ

だから、何十年という月日ののちに
ものがひょいと日本に来て、ここにある、ということを
とても不思議に思う瞬間がある
わたしが、そういうものを集めた空間を作っていることも

うまく言えないんだけれど、
だからこそ、礼を欠いたことはしたくないと思う
どれだけ商品が増えても、そう

難しくて、どんどん散らかっていってしまうけれど、
意志だけはちゃんと持ち続けていたいと思うのだった


そう言いながら、また腰を痛めて、
店を片付けるどころか、腰ベルトなしでは立っていられないし
帰ってきてから、ずっと頭のなかで言葉がけんかしているし
自分のままならなさに、すっかり辟易している今

まあ、でも
いいときをより高い山にするよりも、
だめなときを埋めて平らにするほうが大事
ちょっと無理しつつ、ゆっくり行きましょうよ

きっと、いつまでもこのままなわけじゃないから
すこしずつ、ペースを取り戻していけたらいい