休みにするつもりが
結局朝からずっと仕事をすることになった、きょう

夕方、やっとすこし休憩
ロンドンで買ってきたばかりの本と、
ようやく編みはじめた自分のセーターを前に
そういえばこういう時間はひさしぶりかも、と気がつく

このところの、言葉がでてこない感じは
いくつかの言語を使わなければいけなかったこともあるけれど、
こんなところからも来ているのかもしれない
さまざまな土地で新しいものをたくさん見てはいたけれど、
なにかに向き合う時間や、噛み砕く時間は
たしかに足りていなかったのだった


クレア・キーガンは、今もっとも好きな作家のひとり
発売になったばかりの新刊がFoylesで並んでいて、
向こうを発つ前日だったというのに迷わず買ってしまった
表紙も、本当の油絵のような凹凸があって美しい

今回の出張の最終日には、
アン・エンライトの新刊もサイン本を手に入れた
これは、ピカデリーにあるWaterstonesの一押し
本屋によって前面に出ている作品が違うものだなあと思う


以前にアイルランドへ行ったときは
彼の国のイメージはジョイスとイェイツ、オスカー・ワイルドくらいで
最近の作家の作品はまったく読んだことがなく、
本屋さんでそう話し、店員さんに本を選んでもらったほどだったけれど
いまは、キーガンやエンライト、コルム・トビーン
もう少し上の世代のウィリアム・トレヴァー
随分、アイルランドに贔屓の作家が増えた
いま訪れたら、また感じかたも違うだろうか

読みたいものも、行きたい場所も増やしては
時間も身体も足りないとぼやく
気力が尽きない限り、きっと、ずっとそう

 

出張から戻ってきて、明日で一週間
一瞬で過ぎたような気もするし、
先週はもうはるか昔という気もする

膨大な荷物を開け、ディスプレイをして、店に立ちながら
秋のイベントの準備や掲載いただく誌面などの校正、
さらには秋冬のオーダーの詰め、1月からの次の出張の詰め、
など、もろもろもろもろ
隙間の時間まで動きっぱなしだった一週間

そうしてひとつずつ小さな仕事が片づいていって
やっと今、忙しさの全貌が見えてきたところ
とにもかくにも、ここまでは来てほっとしている


それでも、なによりも
また店が賑やかな季節がやってくるのがうれしい
9月末から年内いっぱいまでは、
ヨーロッパのものを扱う雑貨店にとって
もっとも忙しく、そしてとにかく楽しい期間なのだった

わたしにとっては、それがいちばん難しいことだけれど
元気で、パワフルでいられるように
まずはよく眠らないとね