早朝から店で仕事をしたあと
予約時間に間に合うよう、ネイルへ

夏らしい案を考えて
海岸に流れ着くガラスのようにしてもらう
淡い、水のかけらのような爪

この爪が伸びるころには、と
想像したもろもろをかき消した
とにかく、集中して、
その日一日を生きなくてはいけないから

 

昨日と一昨日は、全休、半休にして
埼玉から来てくれた友だちと出かけていた

とくに一昨日は朝から晩まで、
店をはしごしながら、声が枯れるまで喋り続けた
ちょくちょくビデオ通話はしていたとはいえ、
実際に会うのはほぼ四年ぶり
そもそも無限にある、なんでもない、小さな話が
考えるまでもなく、連なって身体から出ていくようだった

二日目は、朝から水族館
五年ほど前にも一緒に来たなあ、と思い出しながら
椅子に並んで座り、ぼうっと大水槽を眺めた
閉じられた空間で回遊する魚たちは、
こちらの気持ちしだいで、どんな風にも見える気がする

愛してやまないこの場所で、
また、こうして座っている
そのことが、ふと夢のように思えた


見送りにバス停へ向かいながら
四年ぐらいではそんなに変わらなかったね、と言い合い笑う
実際、互いの見た目も、流れる空気も、そのまま
驚くくらいにそのままだった

本当は、わたしは、
四年で多くのことが変わったと思っている
ものごとの捉えかたも、進めかたも、なにもかも
いちから構築し直さなければいけなかった四年だったから、
もちろん、わたし自身が変わっていないはずがない
そして、彼女だって
新しい場所に住み、今は新しい部署で奮闘している
やっぱり、変わっていないはずがないのだ

それでもわたしは、自分の、変えたくない一部分を
すくなくとも彼女の前では維持したいという気持ちがある
彼女にとってのわたしは変わらずにいたいと願っている
そういうこと

とくべつ大事に思う友人がいるから
わたしは強い意志を持って、わたしでいられるのかもしれないね


それにしても
わたしは京都に喋りに来たから、と高らかに宣言した友人に甘え
とにかく、一日半ほぼ喋る以外のことをしなくて
なにを喋っていたんだか、もうあんまり覚えていないけれど、笑
ちょっと意味がわからないくらい楽しかったな

くたくたになったけれど、言葉が尽きたのか、ほんとうに身体が軽い
しばらく、なんでも頑張れそうだ