降り積もってゆく雪に、なかば怯えながら
明け方近くまでお喋りをしていた、昨晩

なんだかんだ、早朝にすっきりと目覚め
ブラインドを上げると、目が眩むような明るさ
雪がベランダに、厚く15センチほどは積もっている

仕事の前に散歩をすることにして、氷点下の外へ
Nej, se det snöar, nej, se det snöar
Det var väl roligt, hurra!
雪だよ、楽しいな、と
一世紀以上も前からあるスウェーデンの歌を、ふわふわ口ずさむ
そう、やっぱり、初雪は楽しい


あたらしい雪をざくざくと踏んで、
山茶花の小径を通り、まず蝋梅を見に行く
花をつけた小枝が折れていそうで心配だったのだった

こんもりと雪をのせながらも、元気そうな蝋梅にほっとしていたら
通りかかったご年配のご夫婦が声をかけてくれた
あっちに赤い梅も咲いてたよ、かわいらしくてええねえ、という言葉につられて
白い風景のなかに赤を探す

またひとりになったわたしの上を、鳥が一直線に飛んでいった
今朝生まれ変わったばかりのような、淡い水色の空

 

雪が生む静けさが好きだ
音が吸われて、収束していく、雑味のない静けさ

遠くの誰かの音も、自分の歩く音も、
すうっと細くなって消えていく
茫漠とした白い世界の真ん中にいられる、雪の日の散歩が好き

雪は、ここではすぐに儚くとけていってしまうけれど、
それでも

 

 

きょうは、一年ぶりにスノーブーツで出かけた
スウェーデンの森にいた頃、学校が斜面に建っていてあまりにも滑るので
転んでばかりはいられないと、思い切って買ったもの

鋲がついているのでまったく滑らないし
積もった雪をかきわけて歩こうが、よほど沈まないかぎりはびくともせず、
しかも、とくべつ分厚い靴下などを履かなくてもあたたかい
最強のブーツだ

わたしが雪の日が好きなのは、
このブーツのおかげでもあるかもしれないね