夏ごろから考えに考えた末、
やっぱりわたしの手もとにあってほしいと決めた絵が
ウェールズから、はるばる届いた

この絵に強く惹かれたのは
普段は静物画、とくにテーブル上の切り花をおもに描いている画家の方が
この日は太陽の下、コテージの庭で、
心の向くままに描いたことが伝わってくるような気がしたからだ
明るく、穏やかな、光のある光景
それは、今のわたしがいちばん求めているものと重なる

“Poppies in the Cottage Garden”
こういうもの、こういう出会いを、大事にしたい

 

さて、この作品
もともと展示のために入れてあった額が、日本の家には大きくて厚すぎるし、
アクリルやガラスもなく、なんの保護にもなっていなかったので
さっそく額屋さんに持っていってきた

もとの額が白だったので雰囲気を残しつつ、多少小さく薄く、
そして、どこか古いもののような風合のある額を選んだ
新しい事務所の白いデスク(商品撮影もする予定なので白と決まっている)にも
ヴィンテージの小物にも、合うように
ちょうど店舗改装前の片付け中というタイミングだったにもかかわらず、
さまざまな提案をしてくれた額屋さんは、やはりプロフェッショナルだった


プロの方に失礼だから、あまり言わないようにしているけれど
わたしは額屋さんに、大きな尊敬と憧れを持っている
10年も前には、いつか額と額に入れるものを一緒に売る店をやりたいと言っていた
今は、そんなに生易しいものではないとよくわかっているので、
“額に入れるもの”をもっと店に増やしたいし、
まずはそういう土壌を作りたいと思っている

先々月、別の作品を同じ店で額装してもらったとき、
お店の方に、近くの雑貨屋さんの方ですか?と訊かれた
なんでも、うちのお客さんが、こういう風にしてほしいと、
わたしがそのお店で作ってもらった額たちの写真を持っていらっしゃるのだそうで
お礼を言われてしまい、恐縮したけれどもとても嬉しかった

最近は、お客さんにも、額屋さんでも、
額装していただくのが趣味なんです、と口にするようにしている
額屋さんで相談に乗ってもらって、より素敵な額に仕上げてもらい、気軽に飾る
その全部がとてもとても好きだから

本当に微力だけれど、額屋さんの良さを広められたらいいなあ
今のわたしなりにそれができればと、思う

 

この日記、近ごろのあまりの忙しさに
たったこれだけを書くのに実は五日間もかかっていて、
そのうちに、額が仕上がりましたよと電話が来てしまった
あした、合間に取りに行かなくちゃ

美しく額装してもらった、
ポピーが咲く、明るい初夏の庭の絵を携えて
2023年へ行くのだ