隣のお菓子屋さんが、共用スペースに
よければどうぞ、と置いていってくれたショートブレッド

書き置きによると、ちょっと焼きすぎてしまったらしいのだけれど、
素人目にはぜんぜんわからない
プロだなあ、と感心しながら、
もはやWalkersより親しんだショートブレッドを齧る

昨夜積み残した仕事を片づけ、
仕事のためとも自分のためとも言える論文を、いくらかプリントアウトして
コーヒーを片手に、読みはじめる
穏やかな日曜日

 

昨晩は、3年ぶりに会えた人と、さまざまな話をして過ごした
互いのいまの仕事や、留学していた頃のこと、すこしだけ音楽のこと
彼女は本当に話し上手なうえ、エピソードトークがあまりにも強烈で、
めちゃくちゃ笑ったので、へとへとになった

ヨーロッパで勉強していたのは、わたしが6年間、彼女は9年間
同じ、2010年のスタートだ
とはいえ、まったく違う分野だし、彼女はいまも海外にいて仕事をしているし
(それで、コロナ禍では3年会うことができなかったのだ)
知り合ったのも、わたしが店を始めてからだけれど
それでも、自分の行動や選択の指針にしていること、真ん中に置いていること、
もっと言えば、絶対に譲れないものごとについて
わたし達は、かなりの部分を共有しているように思う

するすると、普段あまり話さないようなことを話して、
それだけのことがこんなにも心地よいのか、と、驚いた
愉しい夜だった


わずかな違いに徹底的に拘って、自身の全部を注いで学んだ年月と
そういう過去の自分、いまに繋がっているはずの自分を蔑ろにしたくない
わたしが店を経営することにしたのも、元々それが理由だし
だからこそいまも、絶えず、出力を保って学びつづけて
小さくとも、自分だからできる仕事をしたいと思っている
わたしだからできることなんて、突き詰めれば何もないとわかっているけれど、
それでも

ぜんぜん分野が違うはずの彼女が、
そういうわたしのあれこれと似たようなことを口にしていて、嬉しかった
別れ際、元気が出た、また頑張ります、と言ってくれたことも

これからも、そんな相手でいられるように、
わたしも頑張ります

 

今週は、お客さんからも、
あたたかい言葉をたくさん、本当にたくさんいただいた
来週で店が五周年というのもあるのだろうけれど、
きっと、輸入業のいまを想像してくれる方が多いからだろう

自分自身を使いたいという気持ちを軸に、店をやっているわたしだけれど
誰かに何かを伝えて、楽しんでもらえるということがなかったら
自分にできることをどれだけやれても、もちろん意味がない

店を続けてくれてありがとうございます、と言ってもらうことも多いのだけど
こちらこそ、お客さんひとりひとりに、お礼を言って回りたいよ
果報者だなあ


いまは、前祭と連休で忙しい時期を超えて、お盆までの谷間
移動制限はないとはいえ、遠方からのお客さんは大幅に減っているし
8月もゆったりしたときが続くかもしれないから
準備をしながら、気力を蓄える

また、まっさらな一週間
とにかく、元気にね