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きょう最後のお客さんが帰られたあと
ずっといいなあと思っているブレスレットを試着し、
デスクワークをしながら、頭の片隅で悩む

ものをここで見送るのが、わたしの仕事
そのこと自体に、とても大きなやりがいを感じているけれど、
すべての商品に対して愛があるというのは
つまり、ほしいものだらけということなので、難儀でもある

もうすこし誰のものにもならなかったら、わたしが、と
これまでに一体、何度思っただろう


忙しい忙しいと言ってばかりでは、どうしようもないものの
いまだ、仕入れが超絶繁忙期のさなか
祝日つづきで、お店の仕事も忙しく、
通販でのカレンダー販売もあったので、ちょっとしたパニック状態だった

そのうえ、きょう大きな荷物が到着したことで、
それに輸入手続が上乗せされてしまった
まあ、仕事はひとつひとつやっていけばいつかは終わるわけだし
そもそも、このレベルの繁忙期はさすがに年に一度なので、
アクセルを踏み込み、笑って乗り切るべしだ

きびしい今
まず、この仕事を続けていられることが、ただありがたい

 

 

 

検疫に書類のFAXを送り、ふっと気が抜けた瞬間
スピーカーから、エミリアナ・トリーニ
もう6年も7年も前、Spotifyを使いはじめたときに、
まず最初に検索してライブラリに入れたくらい、愛している曲だ

音量をすこし上げ、大きな窓のそばに立って、中庭を見下ろす
一階の壁に据え付けられた、ランタンの光が、
あたたかく広がって、音楽に溶けていく

するりと抜けていく風に、かすかに混ざる虫の音
きょうは、夏が戻ってきたような熱のある日だったのに、
季節はもう戻らない


“I've traveled 'round through deserts on my horse
But jokes aside, I wanna come back home”

“You know that night I said I had to go?
You said you'd meet me on the sunny road”


さみしさと切実さ、ほのかな希望を
光のなかに、浮かべて