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送ってもらった、ロゴ案の入った革の切れ端を
ああでもないこうでもないとサンプルに合わせ、
位置を決めて、写真を撮る

マグカップやトレー、ノート、ポーチ
作り手とともに、色々なプロジェクトをやってきたけれど
わたしの力など微々たるものだ、と思うからだろうか、
ざっくばらんに話していることが、形になるのは
いまになっても、いつでも不思議


 
最初はひとつだった、ロゴの案を
これを作っている人は、結局ふたつに増やし、どちらも金型をオーダーした
今回使うのがひとつでも、きっといつかもうひとつも使うよ、と
笑って言ってくれたことが、しみじみと嬉しかった

とくに今年は、
先の約束の難しさを思っては、気持ちが塞ぐことが増えた
廃業を決めてしまった人、新しくデザインすることをやめてしまった人、
多くの、きゅうに廃盤になってしまったもの
去年をなんとか乗り切ったはいいけれど、
じわじわと影響が広がり、今年、より深い傷を負ったのは
作り手の側も、うちの店も同じだ

だけど、それでも、
ちいさな未来の話をする
ものは、いつでもただのものにすぎないけれど
先に思いを馳せたささやかな会話の延長で生まれているのだった

 

いつか、作家が暮らすベルリンで
わたしが切実な一年を過ごしたルンドで
大学時代から愛してやまないブライトンで、
これが売られているのを見る日が、来るかしら

去年まで続いていた、街の美しい記憶のなかに
わたしなりの新しい景色が加わる日が、
すこし先かもしれないけれど、きっと、来る


今は、写真と映像、そしてたくさんの言葉を使って
いつも通りにやりとりをするだけだ

うちのお客さんにも、遠い街のお客さんにも
素敵だと感じてもらえるものになれば、幸せだな
どうか、そうなりますように