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暑いあいだは、小さいものが編みたくて
晩春にはじめた姪のカーディガン

忙しい夜も多くて、すこしずつしか進められず
夏が終わろうとする今になっても、まだやっている
やっと今、二本目の袖が伸びてきたところ

それでも、編むものがあり、細々とでも気力がつづく、というのは
幸福なことなのだ


きのう、きょうは、ひさしぶりの連休
店を閉めていた先々週、結局わたし自身はまったく休めず
次の週末は絶対に仕事はしないと、意気込んでいたのだった

自室を片付け、
隣の部屋に置いていた電子ピアノを、担いで持ってきて
時々ゆらゆらと弾きつつ、編み物をしたり本を読んだり動画を観たり
その間、ひっきりなしにお茶を飲みつづける、
チェイン・スモーカーならぬチェイン・ティー・ドリンカー

一歩も動かず休日が完結してしまい
わたしは、炬燵を持ったことがないけれど、
炬燵から出ない快適さってこんな感じだろうか、と、笑う

ともあれ
こんなに仕事をしなかったのはいつ以来だろう
心身が回復した二日間だった

 

鍵盤を毎日のように触るようになったのは、去年の4月
店が休業することになり、耐えきれなくて、
気晴らしのためにと電子ピアノを買ってからのことだ

まったく眠れなくなったので
深夜にヘッドホンをして、いつまででも弾いていた
その間は、自分のなかにあるブラックホールと、
ある程度距離を置けるような気がした


きのう、弾いているときに
母が部屋に来たので、そのまま会話をしていたのだけれど
スウェーデン語のメールを書きながら日本語で別の会話をしているときに似た感覚で、
弾く、というのは、ひとつの言語に近いのだと気がついた
ほぼ初見の曲を弾いていて、手が覚えていなかったというのもあるのだけど
すくなくとも、近い回路は使っているんじゃないかしら

これは、電子ピアノが去年のわたしを救ってくれたことと、
きっと、無関係ではない
こういうのって、こうして、
ふっと腑に落ちる瞬間があるのだよね

そう割り切れないときも多々あるけれど
人生は、自分を使った実験みたいなものだ

 

明日は、また、仕事に戻る
新しい月は、すこし新しい気持ちで臨めそう

こういう仕事だから、
大変なときがつづいても、さわやかにいたい
本当に、そう思っている