f:id:lumi31:20210709002451j:plain

 

デスクワークに忙殺され、電話に次ぐ電話
17時ぎりぎりに、税関と検査機関にFAXを送り、
勢いよく仕事場を出る

いつものカフェの日替わりデザートに、ティラミスがあり
小躍りしたい気持ちを抑えて注文
残っていた仕事を片付け、メモ書きのような日記をつけて
すこしの時間でも、趣味の本を読む


しとしと降り続く雨が
ガラス戸の先の緑を濡らす
水のなかのようにくぐもった音楽が、重なって
雨をより近くに感じた

そとを、傘もささずに歩く人を
すこし驚きをもって、すこし羨ましく、眺める
普段と同じわたしの、普段と違う木曜日


先週、戻ってきてくれたように見えたお客さんの足は
今週の状況を受けて、また、遠のいてしまった
例年でさえ7月は、天候の問題で店が静かなのに、
こんなことが続くのでは、どうしようもない

それでも、外的要因にわかりやすく左右されているということは
逆に、救いにもなる
今は、どうしようもないんだから、どうしようもないんだろうな、と
自分に言い聞かせて、舵をとっていくだけだ

考え抜く、考えすぎない
どちらも必要で、それでいてどちらも難しいけれど
バラバラになりながら、なんとか

 

ケンブリッジにいる、ある人から
緑が見える大きな窓のある、広いアトリエの写真が届いた
見て、引っ越したよ、
これでお金を使ったから夏はどこにも行けないけど幸せ、と言うので
こちらまでうれしくなってしまった

家のこと、鳥や猫、庭の植物のこと、
近所の散歩のこと、いつかの旅のこと
さまざまな場所のささやかな話は、
さわやかな風のような清々しさをくれる


仕事で知り合った人たちと、こうしていられるのは
本当にありがたいことだと、つくづく

自分の小さなデスクから、はるか遠くへ
せめて、心だけでも