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わたし以外に誰もいない、静かな店
外の大通りを走る車の音を、背にして
朝からデスクワーク

最近は、休みといえば水曜に取れるか取れないかで
日曜はかならず、仕事をしている
まあ、でも今は、このリズムでもほぼ困ることはないし
仕事場のあるビルもしんとしていて、これはこれで結構いい


ひとつひとつ注文を確認して、メールを送りながら
納品書を印刷し、付箋に注意事項を書いて貼り、配送方法ごとに分ける
この作業だけはぜったいに集中が必要で、
だから、音楽もかけないことにしている

それでも、100件に1件ほどの確率で、間違いは起こってしまうけれど
だからこそ、すこしでも減らすべく、芽を摘まないと
元来そそっかしいんだもの

それに、こうして集中する時間も、
実は、結構好きなのかもしれないな

 

昨日は、いろいろなことが重なって
ずいぶん、気持ちが沈んでいた

そんな中、ドイツの取引先から、荷物
オーダーした商品の第二陣と、わたし宛のクリスマスカードが入っていた

カードというには長い、手紙のような文章を読みながら
いつもメールでも話しているのに、と、思わず微笑む
彼も、わたしが身近な人たちに話すように、
わたしやうちの店のことを、ちょっと誇らしく話したりするのだなあと
そんなような言葉を読んで、うれしくて
気づいたら、胸のなかの暗い靄は薄くなっていた


その作家さんと最初に会ったのは、昨年の5月
彼は、ちょうどその少し前に日本まで足を運んで、あちこちに営業に行き、
全部、断られてしまったそうだ
だから、わたしからの突然の連絡を
まるで贈りもののように感じたと言っていた

わたしも、彼には申し訳ないけれど、
彼の、日本ではじめての取引先、そして友人になれたことを
本当に幸運だったと思っている
ベルリンに着いたその日に直感のまま送った、一通のメールが
こんな風に未来をつくるなんてなあ

いつか必ず、日本のもっと大きな店が彼の作品を扱う日が来る
だから、わたしがこの国でいちばん見る目があったでしょう、と
笑って話しながら、応援しつづけたい
そう、あらためて

 

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この季節らしいかわいい箱
ドイツの郵便局のオリジナルかしらと、よく見ると
たしかにそうだけれど、月の表情は手描きだ
ますます、捨てたくなくなっちゃうじゃない

クリスマスを前に
ふわりとあたたかさに包まれるような、ひととき