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史上もっとも散らかっている仕事場に
計4箱、約1000枚のグリーティングカードが届いた

わからなくならないうちにと
パッキングリストを見ながら、在庫表の数量を変えていく
彼女のカードを愛するあまり、とにかく種類が多くて
ひとつひとつ数字を打ちながら、ちょっと可笑しくなってしまう

店頭に並ぶと、小さな一角なのにね
雑貨店の仕事は、いつだってこんな風


このカードを作っている人へ、メールを書きはじめる
彼女のお母さんの庭と、うちの近くの紅葉のこと
店に来てくれた、彼女のファンだというお客さんのこと
それから、またイギリスで始まる、ロックダウンのこと

すっかり長くなったメールの最後に
荷物を受け取ったよ、ありがとう、
全部数え終わったらまた連絡するね、と書き添える
わたし達の間では、業務連絡はほとんど文通のついでで
そういうやりとりに、ほっとする

いつも荷物に数枚入れてくれる、おまけのカード
姪が生まれたときには、妹にも
女の子が生まれたときに使うカードを贈ってくれたっけ

やさしいスミレの絵柄に、
今年は会うことができなかった彼女を、思う
つぎにあの柔らかな笑顔を見られるのは、いつだろう

 

いよいよ11月
わたしには、棚卸など、一年の総決算の始まりを意味する
12月の末が期限のことも、この仕事量でひとりでは
長い期間ですこしずつやらなくてはいけないからだ

今年のまとめを始めると、
嫌でも、荒波の中を漕いでいた店の状況が見えてしまう
数字ひとつとっても、涙なしには見られない迫力があり
よく今こうしているなと、他人ごとのように感心する

曲がりなりにも経営をしている人なので、
甘っちょろいことばかり言っていられないんだけれど
それでも、うちも取引先もどこも倒れなかった、
それは本当に、奇跡のようなことだという気がする


この店が好きだから、と
この半年で、何度言ってもらったかわからない
そうして支えてくれたお客さんにはどれだけ感謝しても足りないし、
その分わたしも、しっかりと大きなオーダーをすることで
取引先の支えになれていたらいい、
そして、それが結局お客さんの得になればいいな、と思う

やるべきだと思うことを、前向きに、シンプルにやる
ずっと心に留めていることだし、何度も書いてもいるけれど
折にふれて、何度でも言葉にしたい

これから、どんな日々が続いても
けして、忘れることがないように