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店のオープン前に淹れた紅茶を
数分の時間が空くたびレンジにかけて、
一日かけて、飲む

最良の方法ではないことは、わかっているけれど
慌ただしいなかでの最善ではあり
どうしてもやめられない

細切れの時間を愛おしむ
スパイス・ティーの季節

 

きょう、11月1日は、休み
こんこんと眠り、午後は古本市へ出かけた
毎年何があっても行っている夏の古本市が中止になり
この秋の古本市を、本当に楽しみにしていたのだ

ひとつのブースで、ロルカ関連の本を何冊も見つけた
わたしも愛する詩人、フェデリコ・ガルシーア・ロルカ
おお、すごい、と驚きながら洋書コーナーへ歩いていくと
そこにはスペイン語の本が積んであった

ああ、誰かの本だ、と気がついて
ちょっと切なく、そして、襟を正すような気持ちになる
ロルカの本のところへ戻り、一冊一冊吟味して
評伝をレジに持っていった


わたしの蔵書の行く先について、
ときどき、考えることがある
とくに、膨大なスウェーデン関連の資料のこと
一世紀以上前の貴重な古書もたくさん持っているけれど
スウェーデン語やその他北欧言語のものも多く、
当たり前だけれど、日本には読める人が少ない

もしもわたしが、ここからいなくなるようなことがあれば
ロンドンの母校に寄贈してほしいと、いつも言っているものの
本当にそうしてもらえるだろうか

そんなことを思いながら、
手にとったロルカの評伝
どうしてここにあったのか、本当のことはわからなくとも
わたしが生きている限りは、大切に持っていようと思う

 

10月は、とにかく
時間の感覚がなくなるほどに働いた
週に一日、半日休みが取れるかという状態ではなく
夜でも休めるか休めないかという感じだった

だけど、こうして全力で仕事ができるのは、
とくにこの状況下では、もちろん、ぜんぜん普通のことではない
わたしの店だって、いつまでこうしていられるかわからず
ありがたさを噛みしめながら、日々働いている


このまま走りつづけたい
そう、ますます気持ちを強くした、10月

とにもかくにも、乗り切って
新しい月だ