新しい取引先が、決まった
穴があくほど、ウェブの画像を見て
自分で触れて使ってみるべく、実物を取り寄せた
慎重に慎重に考えていたはずなのに、
ものを見たら、結局即決だった
わずか数時間で話が進んで
ひとまず来週、はじめてのオーダーをすることに
イギリス外の取引先は初めてらしく、不安もあるだろうけれど
一緒に仕事がしたいと、言ってくれた
こんなに幸せなんだなと、思う
また、新しい出会いがあったこと
長い付き合いになるだろう人たちが、また、増えたこと
実は、現行デザイナーでは
最後に取引先が増えたのは、去年の11月
その交渉をはじめたのは、9月だったから
こういう出会いは、それ以来だったことになる
今年の1、2月の出張のときは、
心ひかれる品はあったものの、決めきれなかった
そのまま、この苦しい状況に突っ込んでいったので
とにかく、すでに取引をしている人たちとのことで精いっぱいで
出会いを期待する余裕はなくなっていたように思う
梅雨が明けた日、盛夏のはじまりに
やっと見えた、光
恋人が、店の三周年にと贈ってくれた花
誕生日も記念日も、とくに花というわけではないのに
この日には毎年しっかりアレンジメントをくれるのが、
誰よりわたしの仕事を大事に思ってくれている、彼らしい
わたしの仕事は
つねにお客さんから評価を下される
自己肯定感なんて、よほど心を強く持たないと
すぐに消え失せてしまう
彼は、わたしの
知識を資本に、地に足をつけて、という目標を
誰よりわかってくれている人だ
そして、それをちゃんと実践できている、と
認めてもくれている
今年も違う内容のメッセージカードを読みながら
彼がわたしの人生に居てくれることを、
しみじみと、ありがたいと思った
ずっと、この花が
枯れなければいいのにな