コペンハーゲンの街に
突然打ちつける、霰
わずか2分で、道は無数の粒に覆われ
あまりの歩きにくさに、その日2度目の休憩を決意
あんまりにもあんまりな天気だ
去年の今頃、ヨーロッパは異常気象で
とにかく暑く、ロンドンでは4月の花が咲いていた
今年はそこまでではないにせよ、やはり暖かく、
コペンハーゲンにも、移動してきたストックホルムにも
雪がまったく積もっていない
だから、あの霰はほんとうに突然で、そして不穏だった
毎朝祈るような気持ちで
カーテンを開ける、旅の日々
コペンハーゲンでの仕事を終え
半日を、慣れ親しんだルンドで過ごして
今度は長距離列車で、ストックホルムへ
ここで5泊というのが、旅程の最後
長かった旅が、慌ただしく終わろうとしている
スウェーデンでの買い付けは
わずかな隙間を見つけるような作業
高すぎる値段と、固定された“北欧”のイメージに
悩まされ、ひたすらに困りながらやっている
こう、並べたときに
印象が強すぎず、でもひとつひとつが映えるもの
お店でも、お客さんの手のなかでも、
静かに光を放つようなもの
探すのが容易ではないからこそ、
集めたものには、すでに愛着がある
まずは、わたしが
出会いを大事にしなければ
わずかな残りの出張を
きちんと、困って困って過ごすこと