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大好きな人たちに会うために
今年はじめての関東遠征

一月に行くはずだったけれど
恋人がインフルエンザにかかり中止になった、房総
リベンジを果たしてきた

 

彼との旅行は
いつも、とても気楽
海産物などへの情熱のある彼が、昼食と夕食の店を
カフェインがないと生きられないわたしが、カフェを探し
あとは、ふたりで行きたい場所をいくらか出し合って
のんびりと車で巡る

途中、なんとなく綺麗なところや
面白そうなところがあったら、適当に止まる
川だね、とか、浜だね、とか、そんな感じだけれど
その土地ではきっとあたりまえの、
何気なく、でも特別な美しさが、そこにはある


今回は、東京駅で拾ってもらって
レインボーブリッジと海ほたるでひとしきりはしゃいだあと、
富津、館山と走り、白浜のほうまでずっと海岸線を行き
二日目には、鴨川シーワールド
わたしたちはふたりとも、海辺と水族館が好きなのだ

吹きすさぶ砂嵐に大騒ぎをし(一日目は凄まじい強風だった)
さすが“端っこマニア”だなと笑われながら灯台を巡り
アシカやイルカやアザラシに、ふたりして目尻を下げた

いつもよりちょっとだけ温度の高い、
幸せな旅


海の近くの、古い家を改装したようなカフェで
ふたりでひとつのパフェを食べ終わったころ、
彼が何気なく、ほんとうに何気なく
「楽しいね」と、言った

ぽろっと、そんな言葉が出てきたのがうれしくて
胸がいっぱいになって、そのときには何も言えなかったけれど
わたしは、いつも自分なりの言葉で話してくれる彼の、
そういうひとことを、本当に信じているんだよ

 

そして、きょうは、大学時代からの友人たちと
いろいろな話ができた日

お互いの仕事の話もしたし
悩むよねっていう、話もした
もちろん、笑っちゃう話も

新聞社勤務、国家公務員のふたりと
留学を経て自営業のわたし
仕事も性格も好みも、三者三様で
むかしよりずっと、それぞれの人生の色が濃くなったけれど
それでもわたしたちはずっと、
こうして笑いあっている


もう新幹線に乗り込むという段になって
面白すぎる話がはじまってしまい、
ほとんど笑い崩れながら、手を振った

じゃあうまくすれば三週間後に京都に行くわ、と
さっきまで話にさえ上っていなかったことを、ふたりは言って
同じくほとんど笑い崩れながら、手を振り返してくれた


新幹線に乗り込んで、鞄を開けると
わたしが欲しがっていた、チョコミントの飴が出てきた

彼女たちと、むかし、ジブリ美術館へ行ったとき
やっぱり、売店で欲しがったけれど結局諦めたペンを、
こっそり買って、そっと鞄にいれておいてくれたことを
きのうのことのように思い出した

変わりつづけるわたしたち
それでも、変わらないやさしさ、
そして、共有した時間の記憶がある

 

海外出張が多く、自営業のわたしは
頻繁に東京へ行くのは、正直、なかなか難しい

それでも、ちょっと無理をして
半年に一度、かつて暮らしていた街へ出かけていくのは
恋人に、そして彼女たちに、どうしても会いたいからだ


わたしの人生に
ずっと、皆がいてくれることが、嬉しい

他のなににもかえられない
何気なく、でも特別な、美しい三日間だった