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身につけていたアクセサリーが
机の片隅にたまっていく
あいかわらずの自分に苦笑

重い腰をあげて
この二週間の残骸と、開いたままのスーツケースを
すこしずつ、片づける
そういえば、ちゃんとした休みはひさしぶりだ


読む時間がなかった、定期購読のTateの機関誌
まだ四分の一も編み終わっていない、
夏のためのカーディガン

新しいスウェーデン語の先生にも
“出張から戻って落ち着いたら連絡する”と言って、そのまま
毎日、何十通というメールを書いているのに
とても大切に思っている友だちには
落ち着いた気持ちで、心をこめて返事を書きたい、と思うほど、
なにも書くことができないでいる

 

金曜日
大きく体調を崩して、店から逃げるように帰宅し
母が作ってくれた夕食を食べたら
なにも味がしなかった

最初は、鼻と喉の具合が悪いからだと思ったけれど
それにしても、おかしい
そう思いながら丸二日が経ち、
きのうはよく眠ったりして、身体はだいぶん元気になったものの
味覚はまだ、ほぼ戻ってこないままだ


金曜は、しんどい出来事があって
ひとつひとつは、たいしたことじゃないとわかっているのだけど
ずっと、こういうのはしんどい、と思っていたことだったから
疲労骨折のように、気持ちが折れてしまったような気がする

その日の夜のうちに
ふだん平日には連絡はとらない恋人に、電話に付き合ってもらった
それで、ずいぶん、心は軽くなったけれど
突然食べ物の味がまったくしなくなった、ということは、
やっぱり、生き生きと仕事をするわたしを見てほしい、と思うと
どうしても言えなかった


わたしは、ロンドンで休学する直前、
卒論を書いていたころにも、こんなことがあって
そのときは、なんで味が感じられないのかが本当にわからなくて
四川料理の唐辛子をそのまま齧り、体を壊したりしていたから
なんていうか、こういうタイプなんだな、と思う

とくべつ悲観するわけでもなく、
まあ、わたしはこうだから、そう遠くないうちに戻るでしょ、と思えるのは
あのときの経験があるから
いやいや、いろんなことが起こるね、本当に

 

忙しいのは忙しいけれど
仕事はほんとうに、愉しい
これまでに自分が得てきたものを使えているという実感があり
自分がこんな風にと思い描いたことが、すこしずつ形になってきたとも思う
素敵なものをきちんと選べていると自信も持っているし
なにより、有難いことに、たくさんのお客さんに支えてもらっている

だけど、こんなに愉しく、うまくいっているのだから
目を瞑らなくちゃいけないこともいっぱいあるよ、
もちろん愉しいだけじゃやっていけないんだからさ、と
この二年、じっと我慢してきたことが沢山、本当に沢山あるのは事実だ
どんな風に言われても、どんなに自分の時間をとられても、
誠実に答えたい、笑って受け流したい、とか
もし人の役に立てるならとか、思いつづけてきたけれど
そういうことは増えるばかりで、さすがにもう抱えきれず
どうしたらいいのかわからなくなっていた


本当はずっと気がついていたんだから
これを機に、ちょっと、バランスを見直そうかなって

これからもわたしは仕事のため、人のためなら目を瞑るし、
ちゃんと、ふつうに我慢もしたいけれど
自分のなかでちゃんと色々調整ができるような状態というか、
なんていうか、“正常”の範囲を出ないように
わたしがいつも、いつものわたしでいられるように
できれば、もうちょっとうまいことやりたいと思います

と、ゆるい決意表明のような

 

来週は関東に行く予定があるし
今週も、先週よりはだいぶ仕事が少ないはず
すこし、力を抜いて過ごしたい

それにしても
来週、房総半島に行くから、お魚楽しみにしているのになあ
それまでに、すこしは味覚が戻ってくれるといいんだけど

まあ、うん
お魚食べるぞ!ってなったら
その欲が勝って、一瞬で完全復活するかもな
そう、のんびりと構えたい