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1930年代の指輪
試しにはめて、もう外したくなくなる

自分の手もとに置いておきたいものが多すぎるけれど
そういうわけにもいかないのが、この仕事

 

ロンドンでは
毎日、何人ものディーラーに会っていた
初日は休みだったものの、以降はいつも以上に忙しく
ずっとものを見つづけ、夕方にはエネルギーが切れる日々

バイイングをはじめて2年以上が経ち
仲のよいディーラーさんも、ずいぶん増えた
最近は皆、ストックを裏から出してきてくれたり
わたしの好きそうなものをよけておいてくれたりするので
以前より、いいものが見つかりやすい


はいイヤリングだよ、などと渡された大きな箱から
ひとつずつ袋を出して、検分
一日で見るジュエリーの数は何千にもなる

そのうち、買うものの数というと
わたしの場合、たった数十点なわけで
そう考えると、なかなか難儀だけれど
これはまあ、こういうものだから


これだけの数を見ることができるのも、買うことができるのも
ほんとうに幸せなこと
ディーラーさんにもお客さんにも恵まれないといけないので
こういう仕事の環境は、
実は得がたいものだと、よくわかっている

報いることができるように
しっかり集中して、特別なものだけを
つかまえたいと、いつも、思う

どうか、そうして選んだものが
誰かの“ちょっといいもの”になりますように
願いは、それだけ


それにしても
今回は中国のバイヤーさんと一緒という機会があったけれど
中国の方は本当にすごいな、一切迷いがない

これとこれとこれと、と
凄まじい数を、凄まじい速さで即決していくので
おぉぉー…と、思わず見とれてしまった
資金力ももちろんあるのだろうけど、
自分の仕入れにも、絶対に売れる、ということにも
自信がある人の目と手つき

わたしは、小さな店だから、
とにかく厳選したものをと思っているので
あの速度であの数を買うことは、まずないだろうけど
それでも、格好いいと思った
自分の小さな店のためだけれど、
わたしも、プロのバイヤーでありたいものです

 

 

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ロンドンは今年も、いたるところで
ジャスミンの花が咲いていた

昔は強すぎて好きじゃなかった、ジャスミンの香りを
いまは纏いたいとさえ思うのは
きっと、この街を愛しているから

 

さて、今度は
バルセロナに飛んできた
仕事で訪れるのは、はじめてだ

明々後日は、取引先の女性が
街を案内してくれることになっている
また違うものを見ることができそうで、とても楽しみ

よい滞在になるように
めいっぱい、がんばらなくてはね