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ちょうど、お客さんが途切れたとき
再配達をかけていた荷物が、届いた

ずっと待っていたノートかと思ったら
片手で簡単に動かせるくらいに軽い
だとするとなんだろうと首を傾げながら、開けると
先月オーダーしていたポーチが出てきた

追跡番号を教えてもらうどころか
送ったとさえ聞いていなかった荷物
無事に届いてよかったと、苦笑する

まあ、わたしの仕事は
いつもこんな感じ


その10分後
今度は本当にノートが届き
胸をなでおろす

このノートは
うちの店史上、もっとも時間のかかったオーダーだった
直接会って、扱うことを決めたのが、12月の頭
昨年中に話を詰めたかったのだけど、
先方が忙しくて1月半ばまでまったく先に進まず
その後も、海外との取引経験がほぼない方なので、ずいぶん話し合い
ようやく注文を決めてからも、予定より長くかかった


そんなわけで、さすがに、気をもんでいたのだけど
届いたものを見たら、吹き飛んだ
一枚一枚違う、マーブルの表紙
いかにも丁寧に製本され、ぴっちりとビニールに入れられていて
角が折れないように、箱にもしっかりと詰め物がされている
完璧な仕事だ

どこからどう見ても特別なノート
価格が、わたしがどれだけ頑張っても高いので
きっとたくさん販売できるものではないけれど
作った人の誠実さが、
大切に使ってくれる人たちに、まっすぐ届けばいい

 

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ポーチも、取り扱い店舗の少ないmade to order
こちらもとても良い出来で、ひと安心

グラフィカルな布を作っている、ロンドンの会社
ずっと好きで、扱いたいと思っていたけれど
いちばん小さなものがクッションだったので、諦めていた

それが先々月、インスタグラムに
こういうものも作れるよ、とポーチの写真が上がり
これ注文できるならわたしが欲しいわ、と、オーダーを即決

まあ、わたしの仕事は
ときにこんな感じ

 

淡々と過ぎるようでいて
さまざまな色の毎日

“好きなものに囲まれて仕事ができていいですね”と
簡単に言われることに、ずっと違和感があった
いまでも、やっぱり
好きなものを好きでいられるように仕事をするというのは
難しいし、繊細な調節が必要なことだと思う

けれど、一方で、素直に認めなくちゃいけない
美しいものものとともに
こうして仕事ができる幸福よ


あしたは土曜
さて、どんな日になるのかな

祈るような気持ちで
それでも、軽やかに