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土曜の夜に、ストックホルムからロンドンへ移動し
日曜、そして月曜は早朝から仕事漬け

そして、きょう
4時に起き、着の身着のまま空港へ向かって
地中海を臨むニースへ、飛んできた

さあ
ほんのわずかの、冬休み

 

ホテルに荷物を置くなり
電車に乗って、マントンへ
今回の目的は、なんといっても、レモン祭りなのだ

以前マントンを訪れたのは、6年前
同じ2月だったけれど、レモン祭りがはじまる前日だった
それで、すっかり心を残してしまって
この季節になると、マントンのことを思うようになった

ついに叶って、うれしい
一泊二日の強行軍、ほとんど執念だ

 

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レモン祭りを、誰かに説明するときに
札幌の雪まつりのレモン版、と、わたしは言ってきたけれど
実際のレモン祭りは、やっぱり、まさにそんな感じ

今年のテーマが“ファンタジー”だったからか、
雪まつりとディズニーシーを足して二で割り
全部レモンとオレンジにする、というのが
なかなか正確な表現だと思う

壮大な音楽に、思わず笑ってしまう
なるほど、たしかにファンタジー

縦に長い公園
記念撮影をする人たちを、横目に
ゆっくり、ゆっくり、散歩をした

 

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マントンで楽しみにしていたのは
レモン祭りばかりではなく、この旧市街も
以前、とても好きだと思った、坂だらけの街

ひさしぶりだし、かなり入り組んだ場所なのに
ああ、こっちに行けばこんなお家があった、などと
しっかり覚えている自分に、驚く
よほど印象に残っていたのだね

6年前
守り神のように猫が座っていた場所は
猫も、その子について教えてくれたおじいさんもいなくて
なんだか、広く感じた


建物のピンクとオレンジのグラデーションを
擦るように、海からの風が吹く

ああ、やっぱりこの街が好きだと、
ふつふつと思いがわいてくる

 

きょうは
ちょうど、好天にめぐまれた
抜けるように青い地中海を見ていると
あの水平線が、この世の果てで、
ここから見えないものはなにもない、という気がする

この街で暮らしたら
出て行く気なんて起きないんじゃないだろうか
この海を眺めているだけで
なにもかもがわかったような気にならないだろうか


そんなことを思いながら
ソーダのように泡立つ水を眺め
波の音を聴く

レモン祭りへ行くという夢は、叶えたけれど
この美しい場所に
もういちど、心を残したい

今度は、そう
きっと、あの猫とおじいさんに
また、会いに来る