ゴールデンウィーク初日
山を越えて、琵琶湖へ


ちいさな船で、島へ渡っていって
ただ、ゆらゆらと散歩をした
車が走っていない島の、細い細い海沿いの道を
オレンジジュース片手に、笑いながら歩いた

雲ひとつない青空、こんもりと咲いた山躑躅
無数の貝殻が捨てられた岸、日陰をさがして眠る猫
一瞬一瞬、すべてがくっきりと残っていく

恋人とふたりの、気ままな休日は
いつも、こんな風だ
全部がなんでもなくて、全部がほんとうに美しい


わたしたちは、今のところ
たいしたものは持っていないわけだけれど
けれど、それぞれに、身につけた技能があって
あとはお互いがいて、それで愉しくやっている

彼がいるから、わたしはいつも自由なのだ、と
最近、あらためて思う
きっと、ずっと、そうだった



わたしの恋人は、
たとえば前の人が放っていったものを直してあげるとか、
ちょっと誰かのために手間をかけてあげることを
別にたいしたことじゃない、と、言う
謙遜ではなく、本当に、
大きなことではないと思っているのだと思う

わかりやすく親切な人、言葉がやさしい人、というわけじゃなくて
けれど、さっぱりと、当たり前に、ひとのことを考えている
そういう人だから、長く一緒にいて居心地がよいのだな、と
こうしてちょっとした遠出をするたびに、知る

恋人のことを褒めすぎるのも、まあ、どうかとは思うけれど
わたしも、こういう気持ちのよい人でありたいものです



さてさて
きょうは、車を借りっぱなしにしているので
これから、一緒に夜遊びをする予定

わずかといえば、わずかな期間だけれど
楽しい時間は、まだまだ、つづく