友だちが誕生日に贈ってくれた、靴下が
主役の日曜日


花粉を気にしながらも、窓を開ける
春の、空気をうんとのばしたような、ゆるさが
部屋に流れ込む

透明な糸をぴっと張ったような、冬の雰囲気が
もう、なつかしい



三月だというのに
先週のイギリスは、すさまじい雪だったらしい
友だちや取引先から、伝わってくる景色は
わたしがイギリスで暮らし始めた冬のようだった

音もなく降り積もる雪と
ものが消えた静かな店
大学を包む、学生デモの熱気

いつも、心の片隅にある
白いロンドンの街


それにしても
先月行ったときは、むしろ暖かかったのに
3月に入ってから、この雪とは

イギリス、特にロンドンは、とにかく
雪が降ると、あらゆることが麻痺してしまう
たった2センチの積雪なのに信じられない、と
友だちと笑いながら文句を言ったっけ


この仕事をつづける限り
1月か2月には、毎年向こうへ行くことになる
今回はわたしには幸運で、3月にこの天候がきたけれど、
いつかは、雪で動けないとか、
そんなこともあるのかもしれない

わたしの立場、かかわり方が変わっても
ロンドンはずっとロンドンなのだよね

ものすごく当たり前のことなんだけど、
たしかな実感をもって、そう、思う