大事な予定を前に、緊張して眠れず
結局調べものをしているうちに、7時半

そこで、電池が切れたように意識がなくなり
念のためにとかけていた目覚ましも、聞こえず
起きたのは、家を出る予定だった時刻
タクシーで行けばなんとかなるはずと、慌てて準備をしていたら
先方から、30分遅らせてほしいと電話がかかってきた

きちんと化粧をして、外へ
ちらつく雪と、ほのかに白い比叡山が、うつくしい

やれやれ、ちゃんとしなければ、と
われに返って、白い息を吐いた



夕方、いったん帰宅して
少しのあいだ、休憩
ポストに届いていた、TATE.etcを読む

特集はデイヴィッド・ホックニー
テート・ブリテンで、大きな回顧展が始まったからだ

最初の頁の写真に、さっそく釘づけ
アトリエにいるアーティストの佇まいに、自然な意志を感じるのは
こちらがそう思って見ているからか、あるいは


そういえば、ホックニーの作品をちゃんと知ったのは
作品集の紹介文を書く仕事をしたときだったな、と
もうずいぶん前のことを、ふと、思いだした

近ごろ、東京に居たころの、ささいな記憶が
ぷつんと泡が弾けるように、よみがえることがある
同じような仕事を、これからしようとしているからかもしれない

そのたびに、幼かった自分を苦々しく思って
いまのわたしならどうできるかしらと、神妙に考える
そんなに構えることもないのかもしれないけれど


ホックニーの回顧展は、5月末まで
できれば、足を運びたい

表紙ホックニーは、大きな筆を片手に持ち
タンクトップに短パンで、笑顔

ほんとうに、いい写真、と
ひとり、ほのぼのと笑った