青空に誘われて
夕方、散歩に出る
最近の京都は、晴れの日が少なくて
なんだか、いつも、どよどよとしている
まあでも、昔を思いだすと、
この時季はだいたい毎年、こんなだった
東京に引っ越した、最初の冬
1月2月の天気のよさと、風の強さに驚いたのだった
その後、今度は霧の街に越したので
すっかり忘れていたけれど
きょう気持ちが澄んでいたのには、理由がある
そして、その前の数日、澱みがあったことにも
ちゃんと、思いあたる理由がある
我慢は、よくない
きちんと因数分解をして
はっきりとした心持ちで暮したいと、思った
もうすぐ、花粉の季節か
外で本も読めなくなるし
ゆううつだな、と、ぼんやり
傾いていく太陽
飛び石を渡る子どもたちと
空気を切る、シャッター音
くすんだ夕暮れの香り
小さな、温室のような世界で過ごす一瞬を
わたしは、愛している