海へ行ったり
山へ行ったりした、週末


こういうところでスッと静かになるわたしに対して
恋人は、元気になるタイプで
海では陽気に歌ったかと思えば、おもむろに側転など始め
山では牧場の動物への餌やりをニコニコと満喫
こちらは、よかったねえ、ともはや親のような心境で
いつの間にかつられて笑ってしまう

渋滞の車内も
屋台みたいな店でのごはんも
君がいれば最高なんだ、と
流行り歌のような台詞を掲げるのは、恥ずかしいけれど
まあ、本当に、一緒だと何してても楽しいな



土曜日の夜は、
大学時代からの友人達にも、会って
喋って、食べて、また喋って、ゲーセンに行って、
駅の前でさらに喋って、みたいなことをやっていた

10年前と、たいしてコースが変わっていないけれど
彼女たちとも、何をしてても楽しいよ


友だちが、次回は来年かな、と言うので
えええ寂しいよまだ10月だよ年内に頑張ろうよ!とだだをこねたら
いやおまえが頑張れよ、とツッコまれて笑った
そうだった、わたし一人だけが、関西にいるのでした

用事のついでに寄る、ということはできなくても
ぜったいに、年内にもういちど会いに行くぞ、と
改札で手を振りながら、決意



それにしても
上野に泊まるというのは、本当にいい
上野公園は、晴れでも雨でも、朝も午後も夕暮れどきも気持いいし
時間が空いたら美術館に行けるし、池で散歩もできるし
気に入りの喫茶店もあるし、美味しくて安い食べ物屋さんだらけだし
道沿いの席に座って、夜の明かりのなかで食事する人たちは美しいし
駅のアトレのスタバは23時までやってるし

東京駅もすぐ、日暮里の繊維街もすぐ
神保町の古書店街も、天気がよければ歩ける距離
これは、常宿を見つけたいかも


土曜は、夕食の約束も上野だったので
友だちが来るまでの時間を、美術展と散歩に費やした
待ち合わせに向かう途中、公園内で
たくさんの人が携帯やカメラを掲げているので、何かと思えば
スカイツリーの横に、黄色い月がのぼっていて
なんだか、うれしくなってしまった

東京に住んでいた頃は、
見送りの思い出が強くて、せつない印象だった、上野
今になって、こんなに好きになるとはね

すこしずつ、街に新しい思いをのせて
楽しんでいけたら、いいな