The Burning Houseという本を、買った

この本は、もともとブログで
ずっと、楽しみに見ていた
あなたは火事になったら、何を持って逃げますか?という
とてもわかりやすいコンセプト


一頁一頁、めくっていくと
写真のなかにあるのは、物なのに
その様子や選びかたそのものに、人のかたちが見える

パスポートや出生証明書をまず選んだ人
携帯電話やパソコンのような、電子機器を並べた人
カメラや写真、日記帳を持っていくという人
靴や洋服、サングラスが荷物に入っている人
犬を連れていく、という人

笑ってしまうような量の荷物を揃えた人もいれば
なにも持っていかないと、床の写真を撮った人もいる

物はやっぱり、その人、
あるいは、その人がありたい姿を表現し得るのだな




たくさんの人の、大切なものを眺めながら
わたしは、何を持っていくだろう、と考えた
それで、選んだのは
12年間使いつづけているカメラと、いつものペン
二本の古い腕時計、二つの古いペンダント
ロンドン一年目からお守りにしている、銀のコンパクト
眼鏡とケース、それから、本

五冊の本は、
アーネスト・ヘミングウェイ日はまた昇る
村上春樹『遠い太鼓』
カール・フォン・リンネ『ダーラナの旅』
フェルナンド・ペソア『不穏の書・断章』
それから、生野幸吉が訳した、リルケの詩集
どれも、買い直しても意味がない、
この個体でないとダメ、というもの

もっと余裕があれば、きっと、大事なキャリーケースを持ち
古地図の額と、白いフクロウの置物、ラップトップも入れていく
だけど突き詰めれば、わたしがどうしても持っていきたいものは
ほんとうに、これで全部だ
これでも、ずいぶん欲張りだという気もするけれど


実はわたしは、二年前、同じように写真を撮ったことがあって
そのときと比べると、今回は荷物が増えている
だけど、方向性、というか
アイテム自体は、結局ほとんど変わっていない

わたしは、身体の近くに置いているものを愛していて、
そして、それにまつわるわたしなりの物語が、なにより大事なのだな、と
しみじみと、思った


The Burning House:
http://theburninghouse.com/


The Burning House: What Would You Take?

The Burning House: What Would You Take?