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ロンドンで暮らしていたころの、友人から
ひさしぶりに届いた、メッセージ

旅行で、京都に数日滞在するという彼は
奥さんと一緒に、近くまで会いに来てくれた


ランチを食べてから、わたしの店でお喋り
会えていなかったあいだのお互いの話を、たくさんした
メッセージのやりとりは、4、5年前まで時々していたけれど
会うのは、2012年以来

あなたはあまり変わってないね、もちろんいい意味で、と伝えると
君も変わっていないよ、エネルギーがあって、でもいつも自然なんだ、と
彼は、いつかと同じ言葉をまた、くれた


彼が、奥さんと一緒にわたしに会いにきたのは
“ふたりは、絶対に気も話も合うと思ったから”らしい
古文書やアートの保護や、キュレーションの仕事をしている彼女は、
彼の言葉通り、とても素敵な人で
やっぱりねと笑われるくらい、わたしたちは盛り上がった

こんなに良い出会いがあって
その人が、友人である彼のパートナーだなんて
時間が経つというのも、いいものだね

 

わたしは、途中で1年の交換留学を挟むコースだったので
留学中、毎年、仲良く遊ぶ友人がほぼ入れ替わっていた
彼とも、2年生のあたまに知り合い
一緒にいられたのは、その学年の終わりまで
その後わたしは1年間、スウェーデンのルンドへ行き
中国に興味があった彼は、北京の大学院へ行くことになった

もともと、ロンドン出身の彼だけれど、
北京出身の彼女と結婚したと聞いていたし
大学院にも行っていたので、
わたしはずっと、彼は北京に住んでいるものだと思っていた
けれど、聞いてみると、
ふたりでロンドンに移って4年になるという
エンジニアとして、ベンチャー企業で働いていて
当初5人だった会社は、いまは80人にもなっているそうだ

ぜんぜん知らなかった、と目を見張って言うと
Facebookにも何も書いてないしほとんど誰にも伝えてなかったんだよ、
この4年は、仕事をはじめて、
自分たちの新しい場所を作るのに必死だったんだ、と
彼は、しみじみと言って、目を細めた

自分のこの4年を思って
わたしもそうだわ、と言うと
ふたりにとって今がちょうど再会のタイミングだったのね、と
彼女が、横で、ふんわりと微笑んでくれた


来てくれてありがとう、ここに呼んでくれてありがとう、と言い合い
名残惜しさを押し込めて、駅まで送る

でも、またすぐにロンドンで会えるけどね、と
最後はさっぱりと、手を振った

 

彼とわたしともうひとりの友人で、
合同の誕生日会を開いたことがある
わたしと彼は、誕生日が一日違いなのだ

そのとき、隣に座った彼が、
「行きたかったルンド大学に夏から行けることになったんでしょう、
僕も嬉しいよ、君が頑張っているのを知っているから」と
やさしく言ってくれたことを、ふと、思い出した


仕事の紙類が、自室の机のうえに重なり
文字通り山積みになっているような、いまだから
こんな時間を持てて、よかったな

あの頃のわたしをよく知る彼に、
そして、いまのわたしの話を聞いてくれたふたりに
恥ずかしくない、わたしでいたいし
そのために、わたしらしい仕事をしたい

月並みだけれど
本当に、そう思う