近代的な駅前の写真を見たことがあったので
かなりの都会を想像していたら
こじんまりとした美しい街で、驚く
うれしい誤算
夕方になるまで
なかなか、ゆっくりする時間はないけれど
それでも、青空の下、運河沿いを歩いて移動するだけで
なんとも幸せな気持ちになるものだ
ほの暗いなか
あれでもないこれでもないと、ものを手にとっては戻す
棚に無造作に置かれたスピーカーから
エイミー・ワインハウス
穴倉のような倉庫の壁に、反響して
ちいさなライブハウスのよう
いつかのロニー・スコッツが過って
フッと手をとめ
いい選曲ね、と、口にする
こういう瞬間
自分の人生を、けっこういいなって思うんだ
認めたくなかったけれど
体調を、また、崩している
わたしは自分のことを、頑丈だと思っているけれど
ここにきて、さすがに、
自分の外側に厚く張っている、膜のようなものが
ところどころ破れてしまうようになった
身体のことも、気持ちも、そう
祈るような気持ちで過ごす、
出張中の毎日
とりあえず、今夜は
すこしでも穏やかな気持ちで、眠ろう