毎年の恒例
古本市へ、でかける

この数年、わたしが行った日は
凄まじい雨か、凄まじい暑さかだった
だけど、きょうはぼんやりとした曇り空で
異様とも言えるような、涼しさ

そんなわけで、最高の条件をエンジョイして
長々と、本を探した
これほど愉しい場所は、そうそう他にない

あれもこれも諦めたはずなのに
気がついたら、鞄がずっしりと重い
いやいや、こんなはずでは、と
心にもない言い訳を、なぜか、自分自身に



わたしの部屋には
もう、本を置く場所がない
壁際にワイン箱を置いて、仮の本棚にしているのだけど
いよいよ空いている壁がなくなり、これ以上棚を増やせないのだ

ときどき遊びにくる恋人には
本に屈して生活してるんだね、と揶揄される始末
それはまあ、そういう風に言えなくもないけれど
本とともに生きていると言ってほしいな


そうやって、人から呆れられたり、自分でもぼやいたりしつつ
わたしは、また部屋に本を増やしては
自由な時間を、注いでいる

趣味なので致し方ない、と、結局自分に甘いのは
本にかけるお金と時間だけは惜しむな、と言いつづけた
両親の影響も、大きいんだろう
と、ひとのせいにしてみたり



いつもの喫茶店へ歩いていって
買った本を、さっそく読みはじめる
コーヒーの香り、のどの奥に落ちていく言葉
だんだん、周りの声が聴こえなくなっていく

愛している場所での
愛している、時間


古本市は、今年も、送り火の16日まで
最終日に、時間をみつけて
もういちど行ってしまうかもしれないな