ようやく、ちゃんと
洋書に、価格をつけはじめる

これまでの二週の営業で
売れた洋書は、その場で値段をつけた
いや、もう、本当にどうかと思うけれど
ぜんぜん手がまわっていなかったのだった


隙間の時間に、カチカチ、
タイトルや価格を入れた、短冊のようなものを作成
たまたま挨拶に来てくれた、上の設計事務所のかたに
前デザインの仕事されてたんですか、と訊かれて
いえ、素人が止むを得ずやってるだけです、と、笑う

淡いブルーの紙に、印刷して
手作業で、切る
作りかたも完全に素人だけれど
こういうのも、けっこう愉しいものだ


一枚一枚、こうして短冊を作って挟んでいると
一冊一冊のことを、あらためて思う
当たり前だけれど、店の本は、すべてわたしが選んだもので
意味がなくここにあるというものは、ないのだった

洋書、とくに古本は
そう動くものでは、ないけれど
それでも、ここにあってほしいし
手にとってくれる人がすこしでもいたら、今は、十分

お店では、あまり
わたし自身の気持ちを、押し出したくはないのだけれど
やっぱり、この短冊に、なにかしら思いは乗ってしまうな



そんなことを考えながら、閉店の準備をしていたら
打ち合わせに、家具職人さんがやってきた
カウンターに置いてあった、短冊の束を見て
あーこれカワイイ、と言ってくれて、うれしかった

さてさて
明日も、すこしずつ短冊を挟みながら
お店で過ごす、一日だ