妹と待ち合わせて
パンケーキを食べ、植物園へ

きょうは、すっかり寒さが戻ってきて
ちらりちらりと雪まで舞っていたけれど
もう、梅はずいぶん咲いていた

そういえば、来週には三月
春の背中が、すこしずつ見えてきている



妹と、外で会ったのは
成長記録、と呼んでいる写真を撮るためだった
わたしは、17歳のとき写真をはじめてから、ずっと
すくなくとも年に2回は、妹のことを撮りつづけている

きょうは、先日わたしがおつかいを頼まれた、
お気に入りの、デニムジャケットで
その格好では外はさすがに寒いので、温室で撮ることにした


長くモデルになっているために、すっかり慣れている妹は
カメラの前でそれなりにポーズをとり、
軽やかに回ったりもしてくれる

最近はフィルムカメラのほかに、
iPhoneでも撮るようになったけれど
それでも、わたしの撮りかたは、ずっとあまり変わっていない
気に入っている服を着てきてもらい、
右を向いて、とか、止まって、とか、指示はその程度
普通にお喋りをしながら、表情を捉まえ、シャッターを切る

なるべく自然な姿を撮りたいからなのだけれど
とにかく横着なカメラマン
それでも、わたしが撮る妹は、
誰が撮るよりいちばんかわいいという、自負がある



きっと、ずっとこうして
わたしは、妹のことを撮りつづける

いつか、妹に子どもが生まれたりしたら
その子や、その子と一緒の写真も、勿論たくさん撮るだろうけれど
それでもわたしは、彼女ひとりのポートレート
やっぱり、撮りつづけるのだと思う


彼女と、写真と、そして時間と
向き合う作業

わたしが飽きず変わらず、真剣に大切にしているものが
“成長記録”には、ある