手で裂いたような、雲が
ゆるく繋がって、流れていく

こんなに日が短かったかしら、と思うこともあるけれど
日本の秋、そして冬は、やっぱり明るい



2013年夏以来の、歯医者で
ひさしぶりの日本はどうですか、と、訊かれる

えーと、明るいです、としか答えられなかったわたしに
ハハハ、そうか、北にいたんやっけ、と笑いかけてくれた
歯科医の先生は、やさしい


歯医者へ行ったのは
右下の奥歯が欠けて、この一週間困っていたからだ
大きな虫歯だったらどうしようと、戦々恐々としていたのだけれど
診てもらうと、噛みしめる癖のせいで欠けたのではとのこと

気になっていた歯の隣も、欠けていたので
一気に二本、治してもらった
ほかに虫歯もなく、ひと安心

わたしは、いちど意識が遠のいてから、麻酔がとても怖い
だから、終わったときにはどっと疲れて、凄まじい達成感だった
ただ歯を治してもらっただけなのに、と
自分で自分が、可笑しかった



FNS歌謡祭の話でいっぱいのタイムラインに
感じる、年末

毎年、遠くから、この話題を楽しみにしていた
平井堅が肩に鳥を乗せて歌ったとか、
ジャニーズがメドレーをやったので年が明けた気分だとか、
そういうことでワイワイしているタイムラインが
わたしにとっての、好きな日本で
ひとつの、ちいさな幸せの形だったんだろう


日本に居るからといって
リアルタイムで番組を見るというわけでもなく、
今年も、盛り上がるツイッターを眺めることに終始したけれど

それでも、なんとなく愉しかったし
ああ、またこの季節なんだなあ、という
ほのかな高揚感のある、夜だった