行く先行く先で、なんだかなあということが起こる
いわゆる厄日

夜にはすっかりすり減って
ついつい、お菓子を食べてしまう
折角ここ10日で、2キロ近くやせたのに、と思うけれど
だって、このタイミングでこれが家にあったんだもの


つねに鷹揚に構えるのが、理想でも
わたしはまだまだ未熟者

外でだって、心穏やかに過ごしたい
たったそれだけのことが、結構むずかしいのだ



ふと、東京で働いていた頃、深夜によく行っていたカフェの
店長さんのことを、思いだした

仕事からまっすぐ帰ることすらつらい日には、そこに立ち寄って
彼女と、屈託なく、いろいろな話をしていた
いまにも壊れそうな建物の、細くて急な階段の上から、
おやすみなさーい、と手を振ってくれる瞬間が、好きだった


彼女は、過労で身体を壊してしまって
ある日を境に居なくなり、そしてそのまま店を辞めてしまった
事情が事情なだけに、連絡先を訊くことも憚られて
さよならも言えず、ただ、会うことができなくなった

ずいぶん時間が流れても
まだ、惜しい気持ちが残っている


わたしの中では、今日のあれこれと繋がっているのだけど
あの頃、あの店で、彼女となら、
あんな風に居られたのに、という
あたたかいような、ちょっとかなしいような
それだけの、話



さてさて
こうして、うだうだ言っているわけだけれど
わたしにもたぶん明日は来るんだぜ

今日を厄日と言ってしまえば
明日起きた瞬間には、違うなにかがやってくる

あとは、早起きの準備をして
あかるい時間を願って、眠るだけ