青空が広がった午後の
日が傾くまでの、二時間
色彩の変化が、身体に入っていく

気持ちが振れて
あちらこちらが、破れたあとを
ひとつずつ見つけて、繕う



しばらくの間
持ってきた、アン・モロウ・リンドバーグの本
人生訓のようなものは、好まないわたしだけれど
この一冊、とくに英語版は、
洗いざらしのようになりたいときに、開くことがある

ゆったりと、たゆたうようでいて
その実、硬派な文体、硬派な本だと思う


A tree has significance if one sees it against the empty face of sky. A note in music gains significance from the silences on either side. A candle flowers in the space of night. Even small and casual things take on significance if they are washed in space, like a few autumn grasses in one corner of an Oriental painting, the rest of the page bare.
(Anne Morrow Lindbergh "Gift from the Sea" p.128-129)

余白がある、というのは
それだけで尊い


わたしが持っているものは、
2015年に出た、アニバーサリー・エディション
プリムローズ・ヒルにある、いつもの小さな本屋さんで
偶然出会った、大切な本だ
表紙には波、裏には貝の模様があしらわれていて、美しい

そのとき、わたしは
同じ本をもう一冊買った
“片割れ”を持っている友だちが
すこしでも幸せであるようにと、祈っている



昨日、今日、そして明日

逞しい、生活の力と
続いていくということを、信じて