花屋さんまでぶらぶらと出かけ
帰って生ける、午後
いつも使っている、変わったかたちの花瓶は、
初めてベルリンへ行ったときに買ったものだ
旧東ドイツのガラスメーカーの、古い製品で
その時代のものが多く並ぶヴィンテージ・ショップでも
ひときわ異彩を放っていた
ほかにも花瓶は持っているけれど
なにを生けても様になり、かつ背景のように馴染むので
結局、いつもこればかり
花のないときにも、このかたちがものを言って
ガラスなのに寂しい印象にならないから
つねに飾っておいて、愛でている
部屋のなかで
もっとも大切にしているものの、ひとつ
深みのある、でも褪せたような
不思議な色をしたトルコ桔梗
お店のかたが、新しい品種なんですよ、と教えてくれた
秋らしさよりも、明るさを求めて
緑色を、足した
こういうのもわるくないでしょう
そのかわり、白い実のナンキンハゼも飾って
家のところどころに、季節を
最近は、鉢に目がいきがちだったけれど
ああ、やっぱり切り花が好きだな、と
こうして部屋の空気が塗り替わるたび、思う