家へ帰る途中
近所のちいさな神社の参道に
明かりがついていることに、気がつく

そうか、お祭りか、と
なつかしい気持で、いっぱいになる
小学生の頃、このお祭りの日は
学校が午前までになったものだった


静かな石段を
すこし、上ってみる
遅い時間とはいえ、どうして誰もいないのか
パラレルワールドにでも居るみたいだ

提灯の明かりが、ぼんやりと浮かぶ
はてしなく孤独な
どこへも続かない、時間



今夜は、恋人と、めずらしく長電話などして
こまごました相談に、のってもらった

わたしは、自分の恋人かどうか、というより
彼の俯瞰の目と、天性のバランス感覚のようなもの
それから判断力を、信じているんだろうと思う


それにしても、仕事の話というのは、
聞いていて楽しいものだなあ
わたしは会計も法律もさっぱりなので、疑問だらけだけれど
彼はなんだかんだ、すでにプロだなと思うし、
そういう人の話というのは、面白い

十年前には想像しなかった、彼のすがたに
ほのぼのと嬉しくなった、夜だった