雨が落ちてくることもないまま
暗さだけが増していく、午後

真っ暗な場所に鎮座していた植物が、心配になり
しばらく、移動させてみる

北向きの窓からの光は
灰色がかっていくばかりだけれど
それでも、模様替えをした部屋は、心地いい



昨夜は、古本ディーラーのサイトを見ていたら、
うっかり、朝になってしまった

わたしは元来、読むのに気を遣う本に、あまり興味がない
それでも、たとえば、装丁がうつくしい本には
ふわっと気持ちを持っていかれることがある
文章の宿る場所の、しつらえのような、
知的でつつましい雰囲気をつくる、装飾を
つぎつぎ眺めるのは、楽しい

サイン本をとくに探すわけでもないけれど、
とても好きな作家の本に直筆の名前があれば、心は踊るし
初版と最近の版が並べてあれば、つい初版に手が伸びる
そういう、ちょっとしたミーハーごころも
せっかくなので発動して、あちこち覗いてみたり

色々な種類の取引があるのだなあ、と、思うけれど
金額的に手が届かなかろうと、完全な別世界ではないな
扱っているものは、やっぱり本だから


京都に居ながらにして、こうして
イギリスやドイツの古本屋に、気持ちを飛ばせるのだから
本当に、いい時代になったものだ
うん、なんだか、おばあちゃんみたいだけど

探していた本も、注文できたし
なかなか、いい夜だった

しかし、今夜は
ちゃんと、真人間らしい時間に、寝ないとね