仕事だらけの月曜日を終え
さて、ヘルシンキ


飛行機ではなく、船で来たのは
実は、予算の都合だったわけだけれど
やっぱり、船旅はいいものだ
慣れているから、まったく苦にならないし
この季節はずっと明るく、ただひたすらに美しい
ストックホルム近辺は群島なので、尚更

船はいつでも、力強くて勇ましい
以前、そう書いたことがあるけれど
まさに、船のそんなところが好きだ


海と連なって揺れる
はかない空の色

デッキで、キャビンの窓辺で
本を読みつづけて、夜は更けていった




ヘルシンキは、北欧では
この数年でもっとも変わった街のひとつだと思う
建物が、街の表面が、いかに変わらなくても
中身はずいぶん外資が入り、均質化していって
愛していた小さな店はことごとくなくなった

それでも、陽のあたる公園やマーケット、
走る緑色のトラム、そして坂道に
わたしは、10年前に過ごしたヘルシンキを見る

本当は、けっこう寂しいけれど
だから、いま、ここに来た
あたらしいものを、探すのだ



いつから、フィンランド語を話すとき
スウェーデン語がちらつくようになったのだろう
むかしは逆だったのにね

わたしが過ごしてきた時間に
寄り添う言語と、街


明日も、怖がらずに
ちゃんと、言葉を使えたらいい