一日の仕事の、終わり
ルンドにいた頃からの友だちが、彼女と一緒に
お店に迎えにきてくれる


この三年
友だちは、仕事で、大阪にいて
そして、来月からの勤務地が、最近決まった
次の場所は、青森

わたしは、全国転勤のある友人がほとんどいないので
話を聞いて、すっかり驚いてしまった
あとひと月足らずで、青森に引っ越すって、
いやいやいやいや、と、動揺した

季節ごとに、会って
ゆったり話をしたりするのが
三年のうちに、なんとなく当たり前になっていたから
寂しくて、本当はまだ信じられない気持ち



出会って六年近くが経って
環境やら何やらが、めまぐるしく変わっても
彼が連れて歩いている雰囲気というのは、そのままで
会うたびに、ほっとする

彼女もすてきな女性なので
一緒に会いに来てくれて、うれしい
とても、かわいい二人


ごはんとお酒とともに
これまでのこと、これからのことを、話す
わたしの選択、彼らの選択
これから楽しみなことばっかりじゃん、という言葉が
深く、残った

そうか、わたしは、いま本当に近い未来が楽しみなのだな、
この仕事が心底楽しいのだな、と
じんわりと、思った


それはもう、いろいろなことがあるわけだけれど
わたしは、自分の未来に思いきり期待したいし、
たとえば彼らがわたしに未来の話をしてくれるなら
大丈夫だよと、背中を、力づよく押したい

ようやく、そう、胸を張って
言えるようになったかも



別れがたくて、駅まで一緒に歩き
大阪へ帰っていく二人を、見送った

階段を下りる背中が、遠くなっていく
振り返った友だちに、気をつけて行ってね、青森!と声をかけると
彼は片手を上げ、早く来てね!と、言った


青森は、けっこう離れた場所だけれど
ちゃんと、遊びに行くよ

だから、また、近いうちに
笑って、すこしだけ先の話をしよう