午前から、妹とおやつを食べに行き
開店ぎりぎりに、お店に駆け込む

きょうも、小雨
背筋を伸ばして、仕事を、はじめる



しばらくして
大きな箱が、ふたつ、届く
イギリスはケンブリッジから、紙と、雑貨がすこし

この、大学町の小さな会社の紙に出会ったのは
まだ、ロンドンで、大学に通っていたころ
家の近所にある、インディペンデントの出版社でだった
その出版社がオーダーした、オリジナルの紙を見て
なんともいえない柄ゆきと質感に、惹かれた

その後、この仕事をはじめて
最初に行った展示会で、偶然、その紙を作っている人たちに会った
ケンブリッジにある会社だったことも、
出版社で見たあの紙を、わたしでも仕入れられるということも
そのとき、知った

街で出会った、美しいものものと
こうして、あらためて、出会えること
そして、深く長い付き合いができるということは
この仕事の醍醐味のひとつだと、思う



きょうは、お店に
ツイッターでいつも元気をもらっている方が、来てくれて
彼女のイメージそのままのお菓子とお花を、贈ってくれた

過去のわたしの言葉を借りれば、
“親しい人との会話がふと途切れたときのような、
ふんわりと笑みを含んだ、静けさ”のある絵を描く女性
またお会いできて、ほんとうにうれしかったし
彼女にぴったりのものを買っていってくれたことも、
とてもとてもうれしかった


広島からいらした、可愛らしい女性が
きょう出したばかりのコンパクトを、連れ帰ってくれたりもした
ケースに並べて5分、まさに一瞬で、
あのコンパクトは、彼女のためにここに来たのだなと、思った

わたしは、ただのお店の人で
あまりでしゃばるのはよくないと、思っているけれど
やっぱり、わたしにとっても、毎日は出会いなのだ
ものとの、そして、来てくださった方との

きょうは、先週の金曜に比べると、ゆっくりで
けれど、そういう印象深い時間が、長かった


お話するお客さんもいれば
ほとんど言葉をかわさないお客さんも、もちろんいる
なにかに立ち止まってくれる方がいる一方で
なにも心に留まらなかったという方もいる

ずいぶんお客さんが増えて
そんな風にして、お店はまわっているけれど
よい出会いというのが、ときどき
わたしにとっても、きっとお客さんにとっても、確かにあって
それだけで、本当にありがたい


あしたも、きっと
いい日になるんじゃないかなあ

最近は、お店を開ける日のことを
そう、思える