自然史博物館の、鉱物の部屋が好きで
ときどき、出かけていく
ひとつひとつ、説明を読んでいると
それだけで日が暮れてしまいそうで
けれどまあ、それでもいいか、と
結局、延々とここに居る
カレル・チャペックも『イギリスだより』の中で
この博物館の貝類と岩石の結晶類のコレクションを、褒めていた
90年前からこれが存在していたと考えると
それだけでロマンティック
石は美しい
インターネットでは、植物にちなんだ名前を使っているけれど
わたしの本名はまったく違って、鉱物に関係のある名前
日本ではほとんど使われることがなく、意味も知られていない字だけれど
中国の人には、良い字だと、いつも褒められる
石のようにいられたら、とか、思っているわけじゃない
でも、自分の名前は大好きだ
それにしても、今日の自然史博物館は凄まじい人だった
こんなに混んでいたのは初めてかもしれない
せっかく来たから、どうしてもそのまま帰りたくなくて
長い列に加わり、気温11度の外で、震えながら待った
いやいや
週明けから6月なんて、信じられないな
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すっかり気の抜けた生活を送っているわたしだけれど
今日は、卒論とプロジェクトのprovisional markの出る日だった
実は数日前から、ものすごく緊張していた
あまり自信がなかったとはいえ、大学生活の集大成
卒論だけでも、良い点がもらえればいいなと思っていた
それで、結果はというと
予想していたよりもずっと、良い評価をもらった
本当にこれが自分の成績で合っているか、何度か確認して
心底、ほっとした
わたしは、天才にはなれなくて
それどころか、かしこい人にも、結局なれないままで
悔やみようもないのに、後悔に似た気持ちを持て余している
けれど、それでも、とりあえず進めるようにとずっと思っていたわけで
だからこうして形になってくれると、安心する
ひとつずつ、印をつけながら
自分の現在地を確認して、先へ行くんだ、と