ときどき
出自がまったくわからず、
けれど、どうしても心ひかれる、というものがある

今回の出張で見つけたなかでは、
この鳥の木箱が、まさにそれ
作者は不明、きっと有名な人ではないだろう
だけど絶妙な色で、妙に表情があり、ぐっとくる


こういうものは、わたしだけではなく、
多くの人を惹きつけるので
ディーラーさんも、案外高値をつけることが多い

だから、わたしは、いつも悩んで、
結局、それでも連れ帰り
そして、あまり高く売るのは違う気がする、などと言って
たいして利益にならない値段をつけてしまう

商売をしている者としては、失格なんだけれど
ときどきは、こういうものがあってもいい



さて、そういうわけで
無事帰国して、きょうから店を開けている

きょうは早く出て、
持って帰ってきたものを、端から開梱していた
アクセサリーは、とりあえずケースに並べ、
いくらかある陶器も、徐々に出して、店のテーブルに出す

値段は、移動中につけているので
それを見ながら、値札をすこしずつつくるのだけど
ぜんぜん追いつかない

こういう、忙しい初日が
結構好きだったりする



それも特別に思っていた、
美しいアイリス・ガラスのネックレスは
よくいらしている方が、
仕事帰りに制服のまま寄って、つかまえてくださった

やっぱり瞬殺だったなあ、と、うれしい
ネックレスもきっと幸せだ


ワイワイとケースを見て、お話しているうちに
お客さん同士が盛り上がって、仲良くなっていて面白かった
こういうこともあるんだね

ごちゃごちゃした、自分の店
楽しいことが、どんどん増える

すこしずつ、変化していく
ちいさな毎日に、ただいま